注目はディープ2世vsキンカメ2世! 2016新種牡馬紹介 (4ページ目)

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki photo by Kyodo News

 海外からの輸入馬にも注目馬は多い。アイルハヴアナザーは2012年の米GIケンタッキーダービー、米GIプリークネスSを勝った米国2冠馬。父フラワーアリーは天皇賞・秋のスピルバーグやGIマイルチャンピオンシップのトーセンラーの半兄で、父系を遡ると日本でもエンドスウィープ(アドマイヤムーン、サウスヴィグラス、スイープトウショウなどの父)などで実績があるフォーティナイナーに辿り着くという、日本にも馴染みの深い血統だ。ややダート寄りだが芝で走る馬も出すだろう。

 ストリートセンスは米国の2歳王者決定戦・米GI BCジュヴェナイル、3歳クラシックの最高峰・米GIケンタッキーダービーの両レースを制した史上初の馬。父系祖父のマキャヴェリアンは、ヴィクトワールピサ(父ネオユニヴァース、皐月賞、有馬記念、UAE GIドバイワールドC)、ヴィルシーナ(父ディープインパクト、GIヴィクトリアマイル連覇)など、日本ではサンデーサイレンス系GI馬の母の父として実績を残しており、サンデーサイレンス系牝馬とは相性が良いだろう。早い時期から活躍する産駒が多そうだ。6月11日の東京芝1400m戦では、ロジセンス(牝2、栗東・矢作芳人厩舎)がデビュー戦を飾っている。

 スマートファルコンフリオーソといったダートの強豪2頭にも注目。ダート重賞19勝のスマートファルコンはその父ゴールドアリュールもコパノリッキーやエスポワールシチーを出して成功している。現役時代に見せた圧倒的なスピードが産駒に伝われば、早い時期から活躍する馬も出るだろう。

 フリオーソはJpnI帝王賞などダートのGI/JpnIを6勝した、近年の地方競馬を代表する馬。一時代を築いた名種牡馬ブライアンズタイム産駒で母の父がミスタープロスペクターという好配合で、牝系は凱旋門賞のトレヴや皐月賞のディーマジェスティが出た名門だ。芝のクラシックタイプが出ても驚かない血統構成の持ち主であり、大きな意外性を秘めている。

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