注目はディープ2世vsキンカメ2世! 2016新種牡馬紹介

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki photo by Kyodo News

 GI日本ダービーが終わり、6月4日からは2歳戦がスタート。翌年の日本ダービーへ向けての戦いがまた始まった。2歳戦スタートと同時に、新種牡馬の産駒もデビュー。「あの馬がどんな産駒を出すのか」「種牡馬としてブレイクする馬は出るのか?」など、新種牡馬産駒を追うのも、競馬における大きな楽しみ方のひとつだ。今回は今年デビューの新種牡馬について取り上げてみよう。

 今年の新種牡馬の大きな注目点として挙げられるのが、「ディープインパクトとキングカメハメハの後継種牡馬が初登場」という点だ。サイアーランキング1位と2位を争う現在の日本における2大種牡馬の次世代対決が早くも実現するのである。

 キングカメハメハ産駒の新種牡馬はスターウォーズ(母レディバラード)とルーラーシップの産駒がデビュー。スターウォーズは南関東で3勝と地味な成績で産駒数も少ないので、ほぼルーラーシップの一本柱となる。

現役時のルーラーシップ。香港GIを制覇現役時のルーラーシップ。香港GIを制覇

 ルーラーシップは現役時代、5歳時の2012年に香港のGI・クイーンエリザベス2世C(芝2000m)を勝利。同レースでは2着馬に3馬身3/4差をつける圧勝で、その実力を世界に見せつけた。日本ダービーにも出走して5着に入るなど3歳時から素質を見せながら5歳時に本格化し、香港GI制覇の後にはGI宝塚記念(勝ち馬オルフェーヴル)で2着。同年秋にはGI天皇賞・秋(勝ち馬エイシンフラッシュ)、GIジャパンC(勝ち馬ジェンティルドンナ)、GI有馬記念(勝ち馬ゴールドシップ)で3戦連続3着に入っている。気性が激しく出遅れ癖があり、結局日本のGIでは勝てなかったが、負けたレースでも強烈な末脚で存在感を示していた実力馬だ。

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