桜花賞は「世界王者」の良血を引き継ぐジュエラーがピカピカ輝く (4ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 また、ワンカラットは1400m以下で勝ち星をつかんだ短距離型だったが、ジュエラーについては、「1600mはもちろん、距離の融通は利くだろう」と、青田氏は考えていた。距離適性で言えば、2000mでも実績がある姉サンシャインに近いと感じたようだ。だからこそ、デビュー戦で1800m戦を快勝したときも驚きはなかったという。

 2頭の姉とは違った一面をもたらしているのが、父ヴィクトワールピサの存在だ。皐月賞、有馬記念を制し、日本馬初の世界王者(2011年ドバイワールドカップ優勝)にも輝いたヴィクトワールピサは、この世代から産駒がデビューした新種牡馬である。青田氏は、その父の影響をジュエラーのこんな部分に見出している。

「体の雄大さや穏やかな気性は、父のいいところを引き継いでいるのでしょうね。ヴィクトワールピサ産駒はそういった馬が多いですから。ジュエラーの母であるバルドウィナは、きっと父親の色をきちんと出してくれるのだと思います」

 種牡馬デビューしたばかりのヴィクトワールピサにとっては、ジュエラーの活躍が大きな“実績”となる。大舞台で「父の血の良さ」を示すことができれば、質の高い繁殖牝馬との配合が増え、種牡馬としての今後も明るくなるに違いない。青田氏も、「ジュエラーが勲章を手に入れることができれば、父の人気も高まるはず」と話す。

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