藤田菜七子騎手へ。「馬一頭一頭の個性や感情に触れる気持ちを大切に」

  • スポルティーバ編集部●構成 text by Sportiva  photo by Kyodo news

元ジョッキー、細江純子さん。フジテレビ『みんなのKEIBA』出演中。photo by Murakami Shogo元ジョッキー、細江純子さん。フジテレビ『みんなのKEIBA』出演中。photo by Murakami Shogo 入学式、入社式はふつう4月に行なわれるが、中央競馬ではひと足早く、新人ジョッキーたちが今週末の開催でデビューする。今年の話題はJRA16年ぶりの女性ジョッキー、藤田菜七子。同期に先んじて、3月3日には地方の川崎競馬で騎乗。勝利を挙げることはできなかったが、最高2着に入るなど見せ場を作った。

 今から遡ること約20年、JRA初代女性騎手のひとりとしてデビューしたのが、現在、競馬中継でおなじみの細江純子さん。先輩として、ファンと同じく彼女の活躍を心から願っている。自らの経験も踏まえて、女性ならではの苦労や藤田ジョッキーへのアドバイスなど、じっくり語ってもらった。


――まずはご自身についてお伺いします。JRA初の女性ジョッキーとしてデビューしましたが、競馬学校の受け入れ体制などはどうだったのでしょう? 苦労したことはありましたか?

「女性騎手としてデビューしたのは私たちが、第1号なのですが、それまでに競馬学校には3人の女性が入学しているんです。先輩方は進級できなかったりで、結局、学校を去ることになり、関係者も私たちの代は『何としてもこの子たちを騎手に』という流れになったんです。入学の順番が逆だったら、私も騎手になれたか、わかりません。私が騎手になれて、今の仕事ができているのは、そういった先輩たちの積み重ねがあったからで、今でも感謝の念は持ち続けていますし、本当に運がよかったな、と思っています。

 私は乗馬の経験がなかったので、もちろん実技は大変でしたし、体重の管理でも苦労しました。最初、私は痩せていて『食べろ、食べろ』と言われたんです。そして無理矢理食べると、今度は太ってしまって。当時は食事に関して、締め付けがかなり強くて、そこがストレスでした。でも、今は自分で判断し、管理するようになっているそうで、競馬学校も20年前とはかなり変わっています」

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