【競馬】良血シンハライト。華麗なる一族に大輪をもたらすか (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 すでに3頭の仔を、牡馬、牝馬それぞれの三冠戦線に送り込んだ母シンハリーズ。となれば、シンハライトも来年の大舞台が目標となってくるだろう。同馬の育成を担当したノーザンファーム早来(北海道)の日下和博氏も、春の取材でこんな意気込みを口にしていた。

「とにかく走る血統なので、順調にいってくれれば、チャンスは出てくると思っています。なんとか、クラシック戦線に乗ってくれればいいですね。馬自体に関しては、育成の最初の頃は少し華奢(きゃしゃ)だったのですが、ここに来て体重が増えてきました」

 安定して走る血統だけに、経験豊富なスタッフが大舞台を意識するのは無理もない。また、血統だけでなく、調教をこなす過程で、この馬の明るい将来を予期する"よさ"が見られれば、なおさら期待は膨らむ。日下氏が続ける。

「キャンター(駆け足)の乗り味はいいですし、育成が進むにつれて、どんどん成長してきましたね。また、性格面においても、父ディープインパクトの産駒らしい"いい気性"をしています」

 シンハライトを管理するのは、栗東トレセンの石坂正厩舎。すでに入厩しており、デビューへ向けて最後の調整に入っている。初戦の舞台は、10月10日(土)の2歳新馬(京都・芝1600m)。鞍上は、池添謙一騎手の予定だ。

 三冠戦線に出走した兄姉を持つシンハライト。ただし、その兄姉たちはケガなどもあって、本番で満足いく結果を残せなかった。だからこそ、シンハライトにかかる期待は大きい。その期待に応えられる"器"かどうか、まずは初陣に注目したい。

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