【競馬】日本競馬界の「異端児」パカパカファームの未来 (5ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 写真提供●パカパカファーム

 そんな冗談を言ったあと、彼はいたって真剣な面持ちで「最後の最後に目指したい夢」について語った。

「これは、夢のまた夢ですが、いつかチャンスがあったら、自分が競走馬のオーナーとなって、自分の勝負服でビッグレースを勝ってみたい。これは目標というより、心の片隅にある最後の夢です。でも、そういう夢に近づくくらい、パカパカファームが発展すればいいですね」

 スウィーニィ氏は、JRAの馬主資格も保有している。そのため、自分が生産馬のオーナーとなって走らせることも可能だ。もちろん、今は子馬を売ることがメインだが、「一度は、自分が活躍馬のオーナーになってみたい」と、秘めた思いを最後に吐露した。

 開場わずか10数年で3頭のGI馬を輩出し、飛躍的な成長を遂げてきたパカパカファーム。はたして、これから先はどんな未来が待っているのか。パカパカファームとスウィーニィ氏の“戦い”を、これからも見守りたい。

  ハリー・スウィーニィ

1961年、アイルランド生まれ。獣医師としてヨーロッパの牧場や厩舎で働いた後、1990年に来日。『大樹ファーム』の場長、『待兼牧場』の総支配人を歴任。その後、2001年に『パカパカファーム』を設立。2012年には生産馬のディープブリランテが日本ダービーを制した。
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