2015.09.07

【競馬】あのヘヴンリーロマンスが送り出す「大物」ラニ、始動

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2015年版)
第15回:ラニ

 今からちょうど10年前、2005年の競馬界において、大きな衝撃を与えた一頭の牝馬がいる。ヘヴンリーロマンス(牝/父サンデーサイレンス)。同年のGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)を制覇した馬である。

 2005年の天皇賞・秋。ゼンノロブロイやハーツクライといった強豪がそろう中、ヘヴンリーロマンスは、18頭中14番人気という低評価に甘んじていた。前走のGII札幌記念(札幌・芝2000m)で、牡馬を相手に勝利していたとはいえ、そのときとはレベルの違うメンバー構成。また、ヘヴンリーロマンス自身、それまでにGIでの好走実績がなく、牝馬同士の重賞でも大敗することがあった。そうしたことを踏まえれば、人気薄だったことは頷(うなず)ける。

 しかし、そんな戦前の予想に反して、ヘヴンリーロマンスは大金星を挙げた。超スローペースから直線に入ると、ゼンノロブロイなどとの叩き合いを制して優勝。場内が静まり返るほどの番狂わせを演じたのだ。

 この日は天覧競馬であり、スタンドには天皇・皇后両陛下の姿もあった。ウイニングランの際、鞍上の松永幹夫騎手が両陛下に敬礼した姿は、今も多くの人の記憶に刻まれているのではないだろうか。

ラニの母は、2005年の天皇賞・秋を制したヘヴンリーロマンス(右の白帽)。 その後、現役を退いて2006年から繁殖牝馬となったヘヴンリーロマンス。実はもうすぐ、彼女の生んだ子の一頭がデビューのときを迎える。2歳馬のラニ(牡/父タピット)である。