【競馬】波乱の函館スプリントS。狙いは、力秘める「高齢馬」 (2ページ目)

 8歳になったと言っても、4歳春から6歳春にかけて、2年以上も長期休養しています。馬体を見ても老いた印象はありませんし、実質的には6歳くらいの馬と考えてもいいでしょう。前走の韋駄天S(5月24日/新潟・芝1000m)では5着と物足りなさを感じましたが、およそ4カ月ぶりのレースを使って、今回はその上積みが考えられます。レース後も順調に来ていれば、チャンスは十分にあると思います。ちなみに、この馬は美浦トレセンで仕上げての直前入厩ですね。

展開次第では再度好走が期待できるスギノエンデバー。展開次第では再度好走が期待できるスギノエンデバー。 他にも気になる馬が多く、間違いなく「混戦」と言える今回のレース。「ヒモ穴馬」には、スギノエンデバー(牡7歳)を取り上げたいと思います。

 2歳夏の小倉デビューで、小倉2歳S(2010年9月5日/小倉・芝1200m)でも3着と好走しました。こういうパターンの馬は得てして早熟なんですが、スギノエンデバーは3歳時にもファルコンS(2011年3月19日/阪神・芝1200m)で2着と健闘。4歳になってから、夏の北九州記念(2012年8月19日/小倉・芝1200m)で初の重賞制覇を果たしました。その後も追い込み脚質のため、展開に左右されるところがあって成績にはムラがありましたが、5歳時、6歳時にもオープン特別や重賞などで度々好走。デビューしてから、ほとんど休みなく使われていますが、息の長い活躍を見せています。

 今年に入ってからは、シルクロードS(8着。2月1日/京都・芝1200m)、オーシャンS(11着。3月7日/中山・芝1200m)と、重賞2戦で大敗を喫して、さすがにもう「陰りが見えたかな?」と思ったのですが、前走のオープン特別・鞍馬S(京都・芝1200m)では、鮮やかな勝利を飾りました。確かに、斤量56kgとハンデに恵まれて、展開もはまった感はありますが、7歳の春、しかも50戦目にして、上がり3ハロン(600m)で32秒台の脚を繰り出しての勝利。その奮闘ぶりには、恐れ入るばかりです。

 今回は、重賞で、そのうえ斤量も57kgに増えます。前走より条件は厳しくなりますが、その衰え知らずの"決め手"に、大いに可能性を感じています。一発を期待したいですね。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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