【競馬】桜花賞に挑む「3頭の無敗馬」。一番強いのはどの馬か (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 結果は、10人中、9人がルージュバックと回答。きさらぎ賞で牡馬を蹴散らした同馬が、圧倒的な支持を集めた。そして、ほとんどの識者が同じような見解を示した。その代表とされるのは、中日新聞・若原隆宏記者のコメントだ。

「直近の様子次第では違った判断を下すかもしれませんが、現状ではルージュバックの地力はやはり軽くは扱えません。単純にきさらぎ賞の相手関係を考えても、前に壁がなくてもコントロールが効いたレースぶりを見ても、一枚上の存在でしょう。ルージュバック>キャットコイン>クイーンズリングといった構図が順当な評価ではないでしょうか」

 確かにルージュバックの3連勝は圧巻だった。すべて完勝で、しかも相手のレベルが高かった。2勝目を飾った百日草特別(11月9日/東京・芝2000m)では、のちに京成杯の勝ち馬となるベルーフ(牡3歳)、毎日杯を制すミュゼエイリアン(牡3歳)をあっさりと撃破。さらに、きさらぎ賞でも、当時牡馬クラシックの有力馬と見られていたポルトドートウィユ(牡3歳)やアッシュゴールド(牡3歳)らをまったく寄せつけなかった。

「きさらぎ賞で下したポルトドートウィユ(2着)や、アッシュゴールド(3着)が、その後のレースでそれぞれ敗戦したことによって、きさらぎ賞のレベル自体に疑問の声が上がっていますが、百日草特別で破った相手を考えれば、そうした声は一蹴できます。他にアラを探せば、少し間隔の開いたローテーションというのもありますが、きさらぎ賞が3カ月ぶりのレースで快勝ですからね。それも取り立てて騒ぐことではないしょう。この馬の器は相当なもの。牝馬トップレベルの存在であることに変わりはありません」

 関東のトラックマンがそう語って、改めてルージュバックのすごさを強調する。

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