【競馬】桜花賞に挑む「3頭の無敗馬」。一番強いのはどの馬か (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 だが、こうした意見に待ったをかける声もあった。唯一、キャットコインに一票を投じた、サラブレッド血統センターの平出貴昭氏だ。

「ルージュバックの能力上位は認めます。しかし、母の父がオーサムアゲインと、決してマイル向きではない血統背景や、速い流れを経験していない臨戦過程などを考えると、ハイペース必至の阪神・芝1600mという舞台では絶対の信頼は置けません。これまで、ゆったりと流れる1800m以上のレースしか使っていませんし、初の芝マイル戦はベストの条件とは言えないでしょう。負けるとすれば、ここだと思いますよ」

 また、ルージュバックがこれまで出走したレースの最多頭数は10頭。桜花賞で初めて多頭数(18頭立て)の競馬を経験する点も気になるところだ。

 そんな不安を抱えるルージュバックに代わって、平出氏が推すのはキャットコイン。

「キャットコインの母の父は、1998年のファレノプシス、2013年のアユサンと、2頭の桜花賞馬を出しているストームキャット。父ステイゴールドも、産駒が宝塚記念で5勝を挙げるなど、阪神コースと抜群の相性を示しています。そのうえで、キャットコインがこなしてきた3戦はすべてマイル戦。この距離の流れに慣れている点でも、好感が持てます。桜花賞に限れば、アドバンテージがあるのは、この馬でしょう」

 ところで、誰も推さなかったクイーンズリングは、何が問題なのか。2戦目の菜の花賞(1月17日)では、中山・芝1600m戦で最も不利とされる大外の15番枠発走ながら、ゴール前で楽々と抜け出して快勝。3戦目のフィリーズレビューでは、1400m戦のスピードに対応し、阪神コースも経験した。なおかつ、18頭立ての多頭数も難なくさばいて、不安要素は見当たらないのだが……。

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