【競馬】GIレベルの大阪杯。穴は「未冠」エアソミュール
ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」
今週は春のGIシリーズの狭間となりますが、阪神競馬場で開催される大阪杯(4月5日/阪神・芝2000m)は、GIレースと言っても遜色ないほどの好メンバーが集まりました。
脚部不安でイスラボニータ(牡4歳)が回避したものの、一昨年のダービー馬キズナ(牡5歳)をはじめ、昨年の天皇賞・秋を制したスピルバーグ(牡6歳)に、秋華賞を勝ったショウナンパンドラ(牝4歳)、エリザベス女王杯の覇者ラキシス(牝5歳)、さらに一昨年の皐月賞馬であるロゴタイプ(牡5歳)や、NHKマイルC(2012年)の勝ち馬カレンブラックヒル(牡6歳)など、GI馬が6頭も参戦。どの馬にとっても、力を発揮できそうな芝2000mという舞台でもあり、非常に見応えのある一戦になりそうです。
まず注目は、やはりキズナでしょう。昨年はこのレースを快勝したあと、GI天皇賞・春(2014年5月4日/京都・芝3200m)では4着と惜敗しました。天皇賞・春では、レース中にアクシデントがあったようで、最後の最後で伸びを欠いたのは、その影響があったのでしょうね。
それから約9カ月半ぶりに臨んだレースが、前走の京都記念(2月15日/京都・芝2200m)。再び前を捕らえ切れず、惜しくも3着に敗れました。しかしそれは、長期の、しかも骨折による休養明け、ということを考えれば、仕方がありません。まして、休み明けの馬にとっては厳しい、超スローペースの上がり勝負のレースになりました。その影響は少なくなかったと思います。
実際、前半の1000mが61秒2で、後半の1000mが58秒1という極端な後傾ラップとなって、結果は逃げ馬が2着で、番手(2番目の位置)につけた馬が1着。4着も3番手につけていた馬でした。そういう状況だったことを考えれば、道中は後方2番手を追走し、最後の直線でも大外から仕掛けてきたキズナはよく走っていると思います。
キズナの実力からすれば、それでも勝ってほしかった、という思いはありますが、復帰初戦としては合格点と言えるでしょう。とすれば、さまざまな上積みが見込める今回は、当然結果が求められます。昨年勝っているレースですから、なおさらです。もちろん、鞍上を務める"名手"武豊騎手も、その辺は十分に承知しているはず。これまでも、そうした状況できっちりと結果を出してきました。期待していいと思います。
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著者プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。