【競馬】スプリングS、急成長のフォワードカフェが波乱を起こす

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 3月半ばを過ぎて、暖かい日が多くなってきました。この週末には全国各地で桜も開花し始めるそうで、いよいよクラシックの開幕も間近に迫ってきたな、という感じがしますね。

 今週末は、皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)のトライアル戦が東西で開催されます。3月21日に阪神競馬場で若葉S(芝2000m)が、3月22日には中山競馬場でスプリングS(芝1800m)が行なわれます。どちらも楽しみですが、ここではスプリングSを取り上げたいと思います。

 フルゲートに満たない少頭数(12頭)のレースになったスプリングSですが、このあとの皐月賞、日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)といった大舞台でも勝負になりそうな精鋭がそろいました。見応えのあるハイレベルな一戦になるのは間違いないでしょう。

 まず注目すべきは、なんと言っても、朝日杯フューチュリティS(以下、朝日杯FS。2014年12月21日/阪神・芝1600m)を制して、昨年の最優秀2歳牡馬に輝いたダノンプラチナ(牡3歳)です。朝日杯FS以来の復帰初戦で、どんな競馬を見せるか、どれだけ成長した姿を披露してくれるのか、必見です。

 デビュー戦こそ、小回りの札幌コースに泣いて2着に敗れましたが、その後は他を圧倒するレースぶりで3連勝。GI朝日杯FSの舞台でも、不利を受けないように大外を回りながらも、直線で豪快な伸び脚を見せて突き抜けました。ゴール前では、鞍上の蛯名正義騎手が後ろを見るほどの余裕がありましたね。まさに父ディープインパクト譲りの豪脚で、世代を代表する強さを見せたレースだったと思います。

 その後、ダノンプラチナは放牧に出され、今回は3カ月ぶりのレースとなりますが、休み明けの不安よりも、その間の成長ぶりを見る楽しみのほうが大きいです。少しテンションが高いところがあって、初めての距離、初めてのコースといった課題はあるものの、そのテンションの高さを我慢させることで、持ち味となる爆発力も生み出せます。やや折り合い面に難しさはあっても、めちゃくちゃかかるタイプではないと思いますし、ここでも強い競馬を見せてほしいですね。

 また、鞍上の蛯名騎手が、悲願の日本ダービー制覇へ向けて、いい手応えをつかんでくれることを期待しています。

 悲願の日本ダービー制覇と言えば、福永祐一騎手もその期待を背負うひとりです。初めて臨んだダービー(1998年)では、2番人気のキングヘイローに騎乗しながら14着と惨敗。そんな苦い経験から始まりましたが、1番人気のワールドエースで挑んだ2012年(4着)、エピファネイアで惜しくも敗れた一昨年(2着)と、勝利まであと一歩まで来ていて、もういつ勝ってもおかしくないだけの経験を積んでいます。

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