【競馬】チューリップ賞、弥生賞で今年の勢力図が見えてくる! (2ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Nikkan sports

 それらを考慮すると、今週末の牡牝のトライアルは、今年のクラシック戦線の方向性を左右する、クラシック全体のトライアルレースと言って差し支えないだろう。

 また、チューリップ賞では、2歳重賞での実績馬が、人気を集めながら裏切った場合、ヒロイン候補から一気に圏外に突き落とされるという点だ。たとえば、一昨年のローブティサージュやその前年のジョワドヴィーヴルは、ともに前年にGI阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF)を制していながら、その後3歳戦線ではまったく存在感を示すことができなかった。これは牡馬の弥生賞からの巻き返しは少なくないだけに、消長の激しい牝馬路線ならではの傾向だろう。

 今年は2歳女王、ショウナンアデラの出走はなく、全体的な様相としても、どの馬がルージュバック(3戦3勝、きさらぎ賞勝ち馬。次走桜花賞を予定)の対抗一番手になるかという色合いが強い。

 重賞勝ちがあるのは、GIIIアルテミスS(東京・芝1600m)を勝ったココロノアイただ1頭だ。父が先日急逝したステイゴールド、曾祖母に二冠牝馬マックスビューティーがいるという血統。アルテミスSでは9番人気と伏兵扱いだったが、続く阪神JFでも3着に好走し、前走がフロックでないことを示した。
 
 そのアルテミスSで2着に敗れたが、阪神JFでも2着となり、対ココロノアイでは五分の成績なのがレッツゴードンキ。牡馬相手の札幌2歳S(芝1800m)でも3着に好走しており、勝ち切れない一方で相手なりに走れるのが強み。新馬→オープン特別と連勝中のコンテッサトゥーレクルミナルを含めた4頭が、上位人気を占めそうだ。

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