【競馬】普通のディープ産駒とは違う、シャイニングレイの強さ

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

2015年クラシック候補たち
第4回:シャイニングレイ

 3歳春のクラシックがいよいよ近づいてきた。

 トライアル戦も本格化し、有力馬たちが大目標に向かって動き始めている。3月8日のGII弥生賞(中山・芝2000m)にも、クラシックの「主役候補」たちがこぞって参戦予定だ。

 なかでも注目は、ここまで2戦2勝のシャイニングレイ(牡3歳/父ディープインパクト)である。

2戦目で重賞のホープフルSを快勝したシャイニングレイ。2戦目で重賞のホープフルSを快勝したシャイニングレイ。 シャイニングレイは、昨年11月9日の2歳新馬(京都・芝2000m)でデビュー。スローペースを2番手で追走して最終コーナーで先頭に立つと、鞍上がムチを使うことなく、馬なりのまま後続を3馬身半、突き放した。

 関係者たちはこの一戦で、今後に向けて確かな手応えを感じていた。だが、シャイニングレイの能力は、そうした評価をさらに凌駕するものだった。続く2戦目のGIIホープフルS(2014年12月28日/中山・芝2000m)で、関係者の予想を大きく上回る走りを見せたのだ。

 ホープフルSは、これまでオープン特別として開催されてきた。それが昨年からGIIに昇格し、当時3戦2勝のダノンメジャー(牡3歳/父ダイワメジャー)や、同じく当時3戦2勝のティルナノーグ(牡3歳/父ディープインパクト)など、クラシックで活躍が期待される有望株が、例年以上に多数出走した。

 そんな好メンバーがそろう中、シャイニングレイはわずか1戦のキャリアで果敢に挑んで、あっさりと勝利を飾った。デビュー戦と同様、先行して3番手につけると、直線ではきっちりと抜け出す横綱相撲。注目の評判馬たちをまったく寄せつけなかったのだ。

 シャイニングレイを所有するキャロットファームの永島一樹氏も、ホープフルSの走りには驚かされたという。そして、同馬の強さをこう分析する。

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