【競馬】AJCC、7歳馬でもパッションダンスは侮れない (2ページ目)
それでも、すべてがはまったときは、とても強い競馬を見せます。毎日王冠ではのちに天皇賞・秋(11月2日/東京・芝2000m)を快勝したスピルバーグ(牡6歳)を退けていますし、相当なポテンシャルの持ち主だと思います。
今回の鞍上は、クリスチャン・デムーロ騎手(22歳/イタリア)。日本でもGIタイトルを数多く獲得しているミルコ・デムーロ騎手(36歳/イタリア)の年の離れた弟で、19歳で初めて来日した当初(2011年)は「まだまだ兄には及ばない」と思っていました。それが、一昨年(2013年)短期免許を取得した際には、年間37勝を記録(実働およそ3カ月)。早くも日本の競馬にも慣れて、年末から短期免許を取得した今回は、年が明けてからの2015年シーズンにおいて、現在なんと全国リーディングトップ(11勝)に立っているのです。
しかも、11勝のうち4勝は4番人気以下の穴馬。その手腕は、早くも兄ミルコの域に達しようとしていて、今最も乗れているジョッキーと言えるでしょう。エアソミュールをどう御(ぎょ)すのか、見モノです。
休養明け3戦目でさらなる上積みが期待できるパッションダンス。 さて、このレースの「ヒモ穴馬」には、エアソミュール同様、かなりのポテンシャルを秘めているであろう、パッションダンス(牡7歳)を取り上げたいと思います。
明け7歳となるパッションダンスは、前述の2頭よりもさらにひとつ上の高齢馬。年齢的な衰えが心配されますが、骨折して3歳春から4歳の夏まで(約14カ月)、さらに脚部不安で5歳夏から6歳秋の昨年12月まで(約18カ月)、長期休養を挟んでいてキャリアはまだ12戦しかありません。ゆえに、馬はまだ若々しく、衰えはないと思います。
昨年12月の金鯱賞(12月6日/中京・芝2000m)では、18カ月ぶりのレースでさすがに14着と大敗しましたが、積極的な競馬を見せて、トップと2秒1差。それ以上の大差負けを喫してもおかしくないレースでしたから、よく走ったと思います。
そして実際、年明けの中山金杯(1月4日/中山・芝2000m)では、一変した走りを披露。好位で折り合って、終(しま)いまでしっかり伸びていました。勝負どころでの反応だけがまだ遅く、その分4着と、前との差を詰め切れませんでしたが、長期休養明け2戦目としては上出来でした。
今回は、休み明け3戦目。そうした勝負どころの反応もよくなるでしょうから、一層楽しみが広がります。
鞍上は、内田博幸騎手から戸崎圭太騎手に替わります。乗り慣れた騎手から初騎乗の騎手に替わるのは決してプラスとは言えませんが、7歳馬と年を重ねている分、操作性はいいと思いますので、問題はないでしょう。第一、戸崎騎手は昨年のリーディングジョッキーですから、逆に"一発"あってもおかしくありません。
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