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【競馬】ブリランテに続く、パカパカファーム「期待の新星」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

「母のタイキクラリティは、まだ現役のときから『引退したら譲ってほしい』と思って、大樹ファームの社長に頼み込んで購入した期待の繁殖牝馬。初めて生んだ仔は活躍できませんでしたが、2番仔のクラリティシチーは重賞で何度も好走し、皐月賞にも出ました。また、クラリティスカイの弟たちも、デビュー前ながら素晴らしい体つきをしています。ですから、クラリティスカイは『きっと活躍する』と信じていました」

 ちなみに、クラリティスカイがデビューする前の今春、母タイキクラリティの種付け相手には、今年から種牡馬デビューしたオルフェーヴルが選ばれた。クラリティスカイの活躍を見る前から、「今年一番の目玉」である新種牡馬との配合を決めたところにも、スウィーニィ氏の、繁殖牝馬タイキクラリティに対する期待が表れている。

 牧場時代のクラリティスカイについて、「まったく手がかからなかった」と語るのは、フォーリングマネージャー(生産担当)の伊藤貴弘氏。「世話を焼いた覚えがほとんどないくらい、手がかからなかった。正直、あまり印象に残っていない仔馬、というのが本音です。僕としては、『こういう馬も活躍するんだなぁ』と少し意外に思っています」と、苦笑いを浮かべた。

 また別のスタッフは、母タイキクラリティと仔馬の関係性について、こんな話をしてくれた。

「母タイキクラリティは、他の繁殖牝馬に比べて、仔馬への接し方が厳しいんですよね。スパルタというか、歩いていても『早くついてきなさい』という感じで(笑)。そういったタイキクラリティの"厳しい育て方"も、仔馬の精神力が養われて、活躍の一因になっているのかもしれません」

 このような牧場時代を過ごして、クラリティスカイは今年の7月5日にデビューしたが、初戦の2歳新馬(中京・芝1400m)は4着。翌週に挑んだ2戦目の2歳未勝利(中京・芝1600m)も、2着と敗れた。

 しかしスウィーニィ氏は、期待馬が2連敗を喫しても、「まったく悲観しなかった」と振り返る。

「最初の2レースは、とにかくアンラッキー。直線でなかなか進路が空かず、消化不良のレースになってしまいました。ですから、3戦目となった9月の2歳未勝利(阪神・芝1800m)を快勝したときは、無事に力を出せてホッとしましたね。と同時に、この馬の強さに興奮しましたよ」

 満を持して臨んだ3戦目、スウィーニィ氏のテンションが上がるのも当然で、クラリティスカイは兄にトゥザグローリーやトゥザワールドがいる良血トーセンビクトリー(牝2歳)らを寄せつけずに完勝。勝ちタイムも、同コースの2歳レコードにコンマ2秒という速さだったのだ。

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