【競馬】ジャパンカップ、本気度の高い外国馬が侮れない! (3ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Nikkan sports

 レーティングは3頭中最も低いカナダのアップウィズザバーズ(牡4)だが、3頭の中で最も早く日本入りするなど、高い意欲を見せている。

 レーティングが示すように、ここまでの実績は抜けて高いわけではないが、3歳時には地元カナダの3歳三冠の最高峰とされるブリーダーズステークス(ウッドバイン・芝2400メートル)を制しており、返す刀でニューヨークに遠征すると、GIジャマイカハンディキャップ(ベルモントパーク・芝1800メートル)も制して、昨年のカナダの年度代表馬となった。

 4歳を迎えてからは7月のGIIニジンスキーステークス(ウッドバイン・芝1800メートル)の1勝のみだが、ここで1分45秒7という破格のタイムを叩きだしており、日本特有の高速決着への適性を垣間見せている。その後、再びアメリカ本土に遠征したが、本来なら向かうであろう北米競馬の祭典ブリーダーズカップには見向きもせず、ジャパンカップに向けてのローテーションが採られた点も不気味だ。
 
 同じような戦績としては91年のジャパンカップで、断然人気のメジロマックイーンを並ぶ間もなく交わし去ったゴールデンフェザントを彷彿とさせる。同馬はアメリカ調教馬だったが、前年にGIアーリントンミリオンステークスを制し、直前はブリーダーズカップをまったく意識しないローテーションで来日している。また同じように、サンタアニタパーク競馬場芝9ハロン(=約1800メートル)で1分45秒台の早い勝ちタイムでレースを制している。

「アーリントンミリオンの後から、ジャパンカップ参戦を真剣に考え始めた」
 
 木曜日の共同会見でも、マルコム・ピアース調教師はそのローテーションについて計画的なものであることを強調している。彼はオーナーであるサムソンファームの専属で、同ファームは98年にチーフベアハートを送り込んで、4着に好走させている点も強調材料だろう。

 少数精鋭とも言える外国馬は、久しぶりにジャパンカップに風穴を開けられるか、今年も興味は尽きない。

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