2014.10.04

【競馬】スプリンターズS、穴は今が充実期の7歳馬

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 いよいよ本格的な秋の競馬シーズンに突入します。その幕開けを告げるのは、短距離ナンバー1を決めるGIスプリンターズS(10月5日/新潟・芝1200m)です。

 ロードカナロアというスプリント界の絶対的王者が引退した今年、「ポスト・ロードカナロア」の一番手と見られていたのは、ハクサンムーン(牡5歳)。本格化したロードカナロアに唯一土をつけ(セントウルS/2013年9月8日/阪神・芝1200m)、直後のスプリンターズS(2着。2013年9月29日/中山・芝1200m)でもロードカナロアと激戦を演じた強者でした。

 ところが今春の復帰戦、オーシャンS(3月8日/中山・芝1200m)で13着と凡走し、高松宮記念(3月30日/中京・芝1200m)でも大きく出負けして5着に敗れてしまいました。そして、前哨戦のセントウルS(9月14日)では、本来の逃げる競馬ではなく、控える競馬でまずまずの結果(2着)を出したものの、スタートではまたも出遅れ。大外枠だったため、事なきを得ましたが、真ん中あたりの枠だったらどうなっていたことか……。スムーズに先行して、自分の競馬ができれば最右翼の存在と言えますが、絶対視できるかというと、微妙なところです。

 高松宮記念を制した春のスプリント王、コパノリチャード(牡4歳)にも同じようなことが言えます。勝つときは強い競馬で他馬を圧倒しますが、前走の京王杯SC(7着。5月17日/東京・芝1400m)のように、負けるときは見せ場もなくあっさりと大敗してしまいます。そういうときは、おおよそスタートが今ひとつに終わって、スムーズさを欠いています。

 この2頭に共通するのは、馬込みへの懸念です。おそらく、ともに他の馬を気にする面があって、外から被(かぶ)されたり、馬込みの中で揉(も)まれたりすると、戦意を失ってしまうのでしょう。それぞれ、大敗を喫したときはそうした競馬を強いられています。つまり、ハクサンムーンとコパノリチャードが好結果を出すには、「スタート次第」で「揉まれない競馬」という条件が満たされなければなりません。ゆえに、絶対的な信頼を置くには心許ないのです。

 ところで、今年は中山競馬場が改修工事のため、新潟競馬場での開催となります。最後の直線は内回りコースでも50mほど中山より長いのですが、平坦の新潟に比べて、急坂のある中山のほうが、乗り役としては厳しい印象があります。馬場の荒れ方にもよりますが、そうした条件を考えると、やはり先行馬に有利なコースと言えると思います。