【競馬】復活ワールドエース。安田記念で示す「真骨頂」

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 およそ14万人のファンがスタンドを埋め尽くして開催された、今年の日本ダービー(6月1日/東京・芝2400m)。「競馬の祭典」と言われるだけあって、大いに盛り上がりましたね。一方、レースでは再びダービージョッキー(横山典弘騎手=ワンアンドオンリー/牡3歳)が栄冠を手にしました。昨年のキズナ(武豊騎手)もそうでしたが、ダービーというレースでは、やはり勝利経験がモノを言うのかもしれません。

 さて、6月8日には東京競馬場でのGI5週連続開催のラストを飾る安田記念(芝1600m)が行なわれます。

 今年で64回目を迎える伝統の一戦。例年はマイラーに限らず、短・中距離路線からも有力馬がこぞって参戦してきますが、今回は昨秋のマイルCS(2013年11月17日/京都・芝1600m)を制したトーセンラー(牡6歳)や、先のNHKマイルC(5月11日/東京・芝1600m)を勝ったミッキーアイル(牡3歳)、さらに外国馬を含めてマイルGI馬が計8頭もいます。GII・GIIIの勝ち馬も含めると14頭が実績ある"名マイラー"なのです。まさに「春のマイル王決定戦」と呼ぶにふさわしいメンバー構成となりました。

 とはいえ、まず注目すべきは、昨秋の天皇賞・秋(2013年10月27日/東京・芝2000m)を制したジャスタウェイ(牡5歳)でしょう。マイルのGI勝ちこそないものの、ドバイデューティフリー(3月29日/芝1800m)を圧勝して、今や世界的な名馬として脚光を浴びていますからね。

 昨秋から本格化を果たしたジャスタウェイ。その礎(いしずえ)を築いたのは、エプソムC(2着。2013年6月9日/東京・芝1800m)、関屋記念(2着。2013年8月11日/新潟・芝1600m)で手綱をとった福永祐一騎手の"好プレイ"にあると思っています。というのも、結果的にそうなっただけなのかもしれませんが、福永騎手は常に後方で脚をためて、終(しまい)を伸ばす競馬に徹してきました。そうやって、決め手を磨いてきたからこそ、その後の大きな成長につながったと思うからです。

 本格化した今では、好位からでも脚をため、爆発的な決め手を繰り出すようになりました。その活躍ぶりは目覚しく、昨年の覇者ロードカナロアとはまた違った"強さ"を感じます。久しぶりのマイル戦となりますが、どんな競馬でもできる今なら、まったく問題はないでしょう。

 福永騎手の騎乗停止により、鞍上は急遽、柴田善臣騎手に替わりました。GIで1番人気になるような馬の騎乗が突然舞い込んできたら、普通は相当なプレッシャーを感じるものです。しかし柴田騎手は、以前にもジャスタウェイの手綱をとっていますし、百戦錬磨のベテランです。ダービーのようにGIの中でも特別なレースであれば、さすがに不安もありますが、安田記念であれば心配はいらないでしょう。そつなく騎乗して、結果を出してくれると思います。

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