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【競馬】スプリングSは、ロサギガンティアが決め手争いを制す!

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 3月21日(金)から23日(日)まで3日連続で開催される中央競馬。月曜日開催は最近増えていますが、金曜日開催は2007年以来、7年ぶり。非常に稀(まれ)なことなので、競走馬の調教・調整を行なう各厩舎も、それを取材し新聞を発行するメディアも、いろいろと勝手が違って大変だったようですね。

 そんな変則開催の中、牡馬クラシック第1弾・皐月賞のトライアルレースが東西で開催されます。22日に阪神競馬場で行なわれる若葉S(芝2000m/上位2着までが優先出走権を得る)も、皐月賞で"惑星"になり得る馬が出現しそうで気になりますが、やはり注目すべきは、23日に中山競馬場で行なわれるスプリングS(芝1800m/上位3着までが優先出走権を得る)でしょう。

 というのも、昨年の覇者ロゴタイプ(その後、皐月賞を制覇)と同じように、2歳GIの朝日杯フューチュリティS(以下、朝日杯FS。2013年12月15日/中山・芝1600m)を制したアジアエクスプレス(牡3歳)がここから始動するからです。3月9日に行なわれたトライアル、弥生賞(中山・芝2000m)の上位馬たち(1着トゥザワールド、2着ワンアンドオリンリー、3着アデイインザライフ)と比較するうえでも見逃せない一戦ですね。

 その"2歳王者"アジアエクスプレスは、デビュー戦(2013年11月3日/東京・ダート1400m)、2戦目(11月23日/東京・ダート1600m)と、ダート2戦をケタ違いの強さで大勝しました。そして、前走の朝日杯FSも、初芝、初コース、さらにGIという"壁"を難なく打ち破って快勝。3戦すべてが圧巻のレースでした。

 しかし今回、思いのほか人気にならないかもしれません。外国産馬で、日本では馴染みの薄い血統だからです。加えて、200mの距離延長がマイナス材料になっているのでしょう。これが例えば、ディープインパクト産駒で、日本有数の社台ブランドのクラブ馬であれば、圧倒的な1番人気に推されていたでしょうね。

 実際、個人的にもアジアエクスプレスには今ひとつピンと来ません。どのレースも次元の違う強さを見せて、スピードに乗るとグングンと加速していく末脚は、距離が延びてもまったく問題ないように見えますが、何か物足りなさを感じています。取捨の判断は難しいところですが、今回は様子をみたいと思います。

 もちろん、ここで勝てば皐月賞でも好勝負できるでしょう。ちなみに、ダート2戦で圧勝しているため、「ダート馬」の印象を持っている方も多いと思いますが、能力の高い馬だからダートもこなしている、という見方もできます。そう、本質的には芝向きの可能性があるのです。その辺りのことも、今回のレースではっきりするのではないでしょうか。

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著者プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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