【競馬】オルフェに敵なし。有馬記念は「ヒモ穴」に妙味あり (2ページ目)

 唯一、「オルフェーヴルを負かすかもしれない」と思っていたのは、菊花賞(10月20日)を制したエピファネイアでした。しかし、同馬は有馬記念の出走を見送りました。新たな"怪物伝説"を作る可能性があるすれば、この馬だと思っていただけに、オルフェーヴルとの対決が実現しなかったのは、残念でしたね。

 その他、キズナやロゴタイプといった3歳牡馬のトップホースをはじめ、天皇賞・秋を制したジャスタウェイ(牡4歳)、ジャパンカップ連覇を飾ったジェンティルドンナ(牝4歳)も出走を回避。さらに直前になって、エイシンフラッシュ(牡6歳)までも負傷して出走を断念しました。ますます、オルフェーヴルの負ける要素がなくなっていったように思います。

 それでも、オルフェーヴルの相手探しという意味では、馬券的な妙味は増したかもしれません。バラエティーに富んだ、面白いメンバーがそろいました。

 まずは、昨年の覇者ゴールドシップ(牡4歳)が気になるところです。鞍上が名手ライアン・ムーアに代わって、ジャパンカップ(11月24日/東京・芝2400m)の15着大敗からの復活が期待されています。騎手が代わったからと言って、激変するような馬とは思えませんが、宝塚記念(1着。6月23日/阪神・芝2200m)を含めて、グランプリレース3連勝の可能性は秘めていると思います。

 ジャパンカップ(3着)で復活の走りを見せたトーセンジョーダン(牡7歳)も侮れない存在です。鞍上は内田博幸騎手です。ゴールドシップの鞍上からは下ろされてしまいましたが、そのあとに得たチャンスです。結果を出すことができれば、ゴールドシップから下ろされたうっぷんを「倍返し」で晴らせるのではないでしょうか。

 そして、忘れてはならないのが、3歳時にはオルフェーヴルのライバルだったウインバリアシオン(牡5歳。ダービー、菊花賞で2着)。オルフェーヴルの最後の舞台で再び対決が叶ったことには、何か運命的なものを感じますね。

 ウインバリアシオンにとっては、有馬記念の前に一度レースを使えたことが大きなプラスです。前走の金鯱賞(11月30日/中京・芝2000m)では明らかに余裕のある体つきでした。それでいて3着という結果を残すのですから、やはり持っている能力がかなり高いのでしょう。どこまでオルフェーヴルに迫ることができるのか、楽しみです。

 他にも、有馬記念とは相性のいいクリストフ・ルメール騎手が手綱をとるトゥザグローリー(牡6歳)や、この秋は安定した走りを見せているアドマイヤラクティ(牡5歳)など、一発の魅力がある馬がたくさんいます。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る