【競馬】低レベルのJC。ジェンティルドンナの対抗馬はいるか

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 秋の"古馬三冠"レースの第2弾、ジャパンカップ(以下、JC)が11月24日(東京・芝2400m)に開催されます。

 今年で33回目を迎えますが、1981年に行なわれた第1回開催の衝撃は今でも忘れられません。当時としては考えられない2分25秒3というレコード決着(それ以前の東京・芝2400mのレコードタイムは2分27秒3)で、勝ったアメリカのメアジードーツ以下、4着まで外国馬が独占。日本馬との実力差をまざまざと見せつけられましたからね。

 しかし、今では日本調教馬が海外のGIでも勝ち負けするようになりました。ここまで日本馬のレベルが上がったのは、間違いなくJC開催の効果だと思います。反面、ここ最近は強い外国馬のJC参戦が減っています。日本馬のレベルが向上して簡単に勝てなくなったこと、日本特有の硬い馬場での競走を嫌ってのことなど、理由はさまざま考えられます。おかげで、今年にいたっては海外からの出走馬がギリギリまで決まらず、最終的にはその実力に疑問符がつく顔触れとなってしまいました。

 さらに、昨年は「最強メンバー」がそろった日本馬も、今年は何とも微妙なメンバー構成となりました。GI実績だけでなく、重賞実績さえない馬まで出走予定という、例年では考えられない事態となってしまいました。それほど、今年のレースに出走する馬の、全体の平均レベルは低いと言えます。

 そうなると、「最強メンバー」がそろった昨年のJCを勝ったジェンティルドンナ(牝4歳)にとっては、負けられない一戦となりそうです。

 昨年のレースは、JC史上でも3本の指に入るほど歴史的かつ伝説的なレースだったと思います。このコラムでも触れましたが(※2012年11月24日配信「ジャパンカップでオルフェーヴルを脅かすのは、この馬だ!」)、最後はオルフェーヴルとジェンティルドンナの壮絶な一騎打ちとなりました。

 凱旋門賞帰りのオルフェーヴルは、決して完調ではなかったかもしれません。オルフェーヴルの57kgに対して、ジェンティルドンナは53kgと、両者の間に斤量差があったことも確かです。それでも、歴史的な強さを誇るあのオルフェーヴルを、3歳牝馬という立場で、しかも2頭の叩き合いで競り負かすというのは、ただ事ではありません。ジェンティルドンナのポテンシャルは、近年「名牝」と呼ばれたブエナビスタやウオッカ、ダイワスカーレットなどをも凌ぐものだと思います。

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