【競馬】福永騎手が語る桜花賞
「最も魅力を感じるのは、ディープの妹」

  • 新山藍朗●取材・文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

エルフィンSでは馬群を縫って快勝したトーセンソレイユ。エルフィンSでは馬群を縫って快勝したトーセンソレイユ。福永祐一騎手インタビュー(1)

春のクラシック戦線がいよいよ開幕。4月7日には、牝馬クラシックの第1弾、桜花賞が阪神競馬場で開催される。今年は絶対的な存在がおらず、稀(まれ)に見る混戦模様だが、戦いの舞台に挑む騎手はどう見ているのか。桜花賞2勝の実績を持つ福永祐一騎手に、大一番の行方を占ってもらった。

――今年の桜花賞は本命不在の「大混戦」と言われています。福永騎手の見解はいかがでしょうか。

「ここ数年、この路線(牝馬クラシック戦線)にはずっと抜けて強い馬がいましたからね。それに比べて、今年は抜けた存在の馬がいませんし、混戦だと思っています」

――混戦の原因については、どんなふうに考えていますか。

「たまたま、だと思います。ただ、期待された馬や評判の高かった馬が、順調さを欠いてデビューが遅れるなど、そうした不運が重なったことが、一因にあるかもしれませんね」

――期待馬と言えば、特にディープインパクト産駒が不振です。昨年は、桜花賞、オークスとディープ産駒がワンツーフィニッシュを決めましたが(1着ジェンティルドンナ、2着ヴィルシーナ)、今年は昨年末のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神JF)をはじめ、トライアルでもディープ産駒が勝っていません。この点については、どう思われますか。

「確かにディープ産駒の期待馬には、デビューまでの過程で順調さを欠いた馬が何頭かいます。そういう馬たちが早い時期にデビューしていたら、違った様相になっていたかもしれませんね。とはいえ、昨年の桜花賞を勝ったジェンティルドンナにしても、(トライアルの)チューリップ賞では4着でしたし、桜花賞のレース前までは(2番人気と)抜けて強い存在と見られていたわけではありませんからね。桜花賞ですごい馬が誕生するかもしれませんし、まだまだ今年もどうなるかわかりませんよ」

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