2013.04.04

【競馬】GI制覇は関西馬ばかり。競馬界はなぜ「西高東低」なのか

  • text by Sportiva

関東馬の育成、調教が行なわれている美浦トレーニングセンター。

元調教師・秋山雅一が教えるレースの裏側
「走る馬にはワケがある」
連載◆第1回

競馬界のあらゆる疑問や、とっておきの情報などを、元JRA調教師の秋山雅一氏が教えてくれる新連載がスタート。第1回は、「西高東低」という競馬界の現状について。GI戦線で関西馬が圧倒的な強さを誇っているのはなぜか、その真相を聞いた。

――まずは連載1回目ですから、自己紹介を兼ねて、秋山さんが競馬界に入ったきっかけから教えてください。

秋山 父親(史郎氏)が調教師で、幼い頃から馬に慣れ親しんでいました。だから、自然に父の厩舎の助手として、この業界で働くようになりました。それが、1978年。ちょうど美浦トレーニングセンター(以下、美浦トレセン。茨城県にあるJRA所属の関東馬の調教施設)が完成して間もないときでしたね。その後、1991年に調教師免許を取得し、2011年まで調教師として働いていました。現在は、美浦トレセン近くの育成牧場でマネジャーをしています。

――そんな秋山さんに、これから競馬界のさまざまな疑問をうかがっていきたいのですが、お話に出た美浦トレセンができる前は、馬の調教などはどこで行なっていたのでしょうか。

秋山 中山と東京の競馬場、それと今は競馬学校のある白井(千葉県)の3カ所に関東馬の厩舎があって、そこで調教をしてレースに参加していました。その頃のことは、私も詳しくはわかりませんが、当時は決して充実した施設がそろっていたわけではありません。調教専用コースが何本もあるわけではないですから、なかなか思うようなトレーニングができなかったと思います。そうした厩舎の環境改善と、競馬場周辺の住宅環境の問題などもあって、美浦トレセンができました。関西も一緒で、栗東トレーニングセンター(以下、栗東トレセン。滋賀県にあるJRA所属の関西馬の調教施設)ができる前は、京都と阪神、中京の競馬場に厩舎があって、そこで調教を行なっていました。

――トレセンができたことで何か変わりましたか。

秋山
 本格的な調教専用コースなどが豊富にあって、馬の調教が満足にできるようになったと思います。調教技術も進化していって、特に関西からは強い馬が出てくるようになりました。私が助手になったばかりの頃は、「東高西低」と言われていて、関東馬のほうが圧倒的に強かったんですけどね。