【競馬】朝日杯に挑むコディーノ筆頭に牡馬クラシック戦線の主役は「5強」 (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

 そうした状況の中、まず注目されるのは、12月16日に開催される朝日杯フューチュリティS(中山・芝1600m)。ここには、現時点の実力ナンバー1のコディーノが出走する。その実績と強さから「確勝」と目されているが、来春のクラシックを見据えた場合、コディーノには結果だけでなく、内容も求められると、前出の競馬専門紙記者が言う。

「強い馬が何頭か出てきますが、なかでも前走の京王杯2歳Sを勝利して無傷の3連勝を飾ったエーシントップ(父テイルオブザキャット)はここが最大目標で、来年のクラシックを目標とするコディーノにとってはいちばんの強敵になります。しかし朝日杯には出走しない『5強』の馬たちは、エーシントップ以上に強い。来春、そうしたライバルたちとの熾烈な戦いが待ち構えていることを思えば、ここは単に勝つだけではなく、楽勝するくらいのパフォーマンスが必要でしょう」

 一方で、GIの朝日杯以上に注目度が高いのが、その翌週の12月22日に行なわれるラジオNIKKEI杯2歳S(阪神・芝2000m)だ。GIIIとグレードは朝日杯より格下だが、クラシックとの関連はこちらのほうが深いと言われ、このレースには「5強」のうち、ラウンドワールド、キズナ、エピファネイアの3頭が出走予定。早くも「5強」中3頭によるガチンコ勝負が実現し、いやがうえにも盛り上がる。

 約3カ月の休み明けながら、キャリアで一歩リードするラウンドワールドが勝つのか、あるいは、残る2頭が素質で上回るのか。結果によっては、「5強」から脱落する馬が出てくるかもしれないし、逆に「5強」から頭ひとつ抜けた存在が生まれるかもしれない。また、他の強いとされる馬たちと「5強」の馬たちとの力量に、現時点でどれほどの差があるのか、いろいろな意味で興味深い一戦となりそうだ。

 先の競馬専門紙記者が言う。
「他のレースを勝ち上がった馬にも評価の高い馬はいます。けれども、1勝馬や500万クラスの勝ち馬、さらにこれからデビューする馬を含めて、現時点で話題に乏しい馬では『5強』と言われる馬たちの壁を乗り越えるのはなかなか難しい。『5強』の馬たちには、それくらいの強さがあります」

 来春の牡馬クラシックは、強くて、そろいもそろって良血という「5強」を中心に白熱した戦いが繰り広げられるだろう。その行方を占う意味でも、目前に迫った朝日杯とラジオNIKKEI杯での、彼らのパフォーマンスからは目が離せない。

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