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【競馬】激戦必至のジャパンカップダート。
狙い目は次元が違うイジゲン

素質馬がそろった3歳馬の中でも、注目はGI級の能力を秘めるイジゲン。素質馬がそろった3歳馬の中でも、注目はGI級の能力を秘めるイジゲン。元ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 ジェンティルドンナ(牝3歳)vsオルフェーヴル(牡4歳)という、牝馬、牡馬それぞれの三冠馬による壮絶な一騎打ちに酔いしれたジャパンカップ。その舞台となった東京競馬場から、今度は阪神競馬場に場所を移してダートのジャパンカップ(12月2日/ダート1800m)が行なわれます。

 昨年、一昨年に続いて、残念ながら今年も外国招待馬の参戦はありませんが、白熱したジャパンカップにも勝るとも劣らない、国内ダート王を決するに相応しいメンバーがそろいました。

 同レース3連覇のかかるトランセンド(牡6歳)をはじめ、前走の南部杯(10月8日/盛岡・ダート1600m)で衰えを感じさせない強さを見せたエスポワールシチー(牡7歳)に、前走JBCクラシック(11月5日/川崎・ダート2100m)で悲願のGI制覇を果たした昨年の2着馬ワンダーアキュート(牡6歳)ら古豪の実力馬が健在で、目下6連勝中のローマンレジェンド(牡4歳)や、充実期を迎えているニホンピロアワーズ(牡5歳)といった新興勢力も台頭。さらに今年は、3歳馬の素質馬がこぞって参戦。まさに"異次元"の競馬をしているイジゲン(牡3歳)に、3歳ダート戦線の春の頂上決戦ジャパンダートダービー(7月11日/大井・ダート2000m)を制したハタノヴァンクール(牡3歳)、そして夏の3歳ダート王決定戦レパードS(8月5日/新潟・ダート1800m)を制したホッコータルマエ(牡3)など、豪華な顔触れとなりました。

 なかでも、現在6連勝中のローマンレジェンドが、注目の一頭ですね。芝の新馬戦で3着、未勝利戦では8着と敗れたあと、ダート路線に変更してからの内容がとにかく凄まじいのです。初のダート戦となった3戦目の未勝利戦を大楽勝(2着に6馬身差)すると、休養をはさんで臨んだ500万条件戦も完勝。続く1000万条件戦ではコンマ1秒差で2着に惜敗するものの、その後、1000万特別、1600万特別、オープン特別、重賞レースと、怒涛の6連勝を飾りました。

 つまり、ダートに変わってからは9戦8勝(2着1回)と、ほぼパーフェクトの競馬をしています。まして、未勝利から1000万条件あたりまでは、ポンポンと勝利して出世する馬はよくいますが、オープンや重賞まで連勝してしまうような馬は稀です。それほど、ローマンレジェンドはもともとの能力が「抜けていた」ということなのでしょう。過去2戦の重賞も着差こそわずかでしたが、かなり強い競馬で勝ち切って、どんなレース展開にも対応できそうなタイプです。

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著者プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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