【競馬】実現できたオルフェvs世界最強馬。海外遠征に求められる新たな選択

  • 土屋真光●文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

2着とはいえ、凱旋門賞で世界でも通用する強さを見せたオルフェーヴル。2着とはいえ、凱旋門賞で世界でも通用する強さを見せたオルフェーヴル。 凱旋門賞で惜しくも2着に敗れたオルフェーヴル(牡4歳/池江泰寿厩舎)は、10月10日に帰国。千葉県白井市の競馬学校での輸入検疫(5日間)を経て、16日にノーザンファームしがらき(滋賀県甲賀市)へと移動し、3週間の着地検査に入った。ジャパンカップ(11月25日)か有馬記念(12月23日)のどちらかで帰国初戦を迎える見込みで、状態を見ながら今後の予定が組まれるという。

 そんな折、イギリス・アスコット競馬場ではGIチャンピオンステークス(現地時間10月20日/芝10ハロン=約2000m)が行なわれた。前年の覇者シリュスデゼーグル(騸6歳/フランス)に、1馬身4分の3差をつけて勝ったのは、「21世紀の怪物」と称されるフランケル(牡4歳/イギリス)。これが引退レースであるフランケルは、結局14戦の競走生活で1頭にも先着を許さず、最強のまま現役を終えることとなった。

 フランケルと言えば、今年の8月、マイル(1600m)路線を中心としていた競走生活で初めて出走した10ハロン級のレース、英国GIインターナショナルステークス(芝10ハロン88ヤード=約2092m)を圧勝した際には、1カ月半後に行なわれる凱旋門賞への出走も噂された。オルフェーヴルとの夢のマッチアップもあり得たわけだが、残念ながら実現には至らなかった。

 しかし、夢の対戦は何も凱旋門賞に限らなければ、実現の可能性がまだまだあったことは、海外競馬に詳しい層以外には意外に知られていない。

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