【競馬】ダービーで一発逆転を狙う、5頭の「刺客」 (2ページ目)
次に「2強」の一角、ゴールドシップと同じステイゴールド産駒のフェノーメノ。
ゴールドシップがここまで6戦オール連対の優等生タイプなのに対して、一方のフェノーメノはかなりの個性派、というか"曲者"。右回りの中山では2戦して掲示板にすら乗らないのに、東京では走りが一変して3戦3勝。前走のダービートライアル・青葉賞も2着に2馬身半差の完勝だった。
青葉賞馬には、過去にダービーを勝った馬が1頭もいないという嫌なデータはあるものの、抜群のコース適性に注目すれば、この馬も侮れない。
他では、ダービー「7頭出し」のディープインパクト産駒。なかでも、ディープブリランテ、トーセンホマレボシ、ヒストリカルの3頭からも目が離せない。
このうち、トーセンホマレボシは、昨年の天皇賞(秋)を勝ったトーセンジョーダンの半弟で、ヒストリカルも8歳になって天皇賞(秋)とマイルCSのGIを連勝したカンパニーの半弟。どちらも、上にGI馬がいて、血統背景のレベルは高い。
ただ、トーセンホマレボシの場合は、京都新聞杯がいかに強い競馬だったとはいえ、これまでに皐月賞上位組など、一線級との対戦がほとんどない。京都新聞杯を勝ってダービーも勝ったというのは、過去に2000年のアグネスフライトのわずか一例があるのみ。勢いと鞍上のウィリアムズ騎手にはいち目置くが、ダービーで、世代最強クラス相手に勝ち負けとなるとどうだろうか。
一方のヒストリカルは、なんとも不気味。3月末に毎日杯を勝って、そこからダービーへ直行というローテーションはやや割引だが、毎日杯の勝ち馬からは、直行ではないにせよ、過去10年で、2004年のキングカメハメハ、2008年のディープスカイの2頭のダービー馬が出ている。
さらに、きさらぎ賞で勝ったワールドエースから1馬身半差の2着と健闘。どこまで行ってもその差は縮まらないような感があり、それから数カ月経っても逆転までは厳しいかもしれないが、ひとつ記憶に残るのは、きさらぎ賞のあとに行なった、福永祐一騎手のインタビューでの言葉。ワールドエースにもヒストリカルにも乗ったことのある彼は、その際にこう話していた。
「ヒストリカルは前半もたつくけど、後半はいい脚を使う。ダービーに向いているのはこういう馬」
そして、関西の専門紙トラックマンも、ヒストリカルには警戒していた。
「完成度ではやや見劣るけど、持っている能力はワールドエースと互角。展開がハマれば一発あっておかしくない」
未知の魅力という点では、この馬が一番だろう。
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