松山英樹はもっともっと高く評価されるべき...パリオリンピック銅メダル、PGAツアー通算10勝 (2ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho

 それでも、第3戦目となる最終戦の、ツアー選手権(8月29日~9月1日/アメリカ・ジョージア州)の出場権があり、総合優勝して年間王者になれば、ボーナス賞金2500万ドル(約36億円)をゲットすることができるのだ。

 松山が2021年のマスターズで優勝したときも感じたけれど、今回のパリ五輪の銅メダル、さらにPGAツアー通算10勝の快挙に関しても、(世の中は)もっともっと高く評価して、リスペクトすべきだと思う。

 日本人選手が海外の試合に初めて挑戦したのは、1929年のハワイアン・オープン(現ソニーオープンinハワイ)だった。宮本留吉と安田幸吉のふたりである。当時は遠征費用もままならず、プロの所属先でのカンパや、米上院議員の援助で実現したという。

 以来、100年近い年月での挑戦の歴史において、PGAツアーの優勝は、青木功、丸山、今田竜二、松山、小平智の5人。うち、複数優勝は通算3勝の丸山と、通算10勝を遂げた松山のふたりだけである。無論、メジャー大会を制したのはマスターズを勝った松山ただひとり。

 だからなおさら、これだけの偉業を成し遂げて、しかも今なお進化中である松山の存在と実績に対するリスペクトはもちろんのこと、その偉大な功績に対してのイベントをぜひ考えてほしい、と思うのだ。

三田村昌鳳(みたむら・しょうほう)
1949年2月24日生まれ。週刊アサヒゴルフを経て、1977年に編集プロダクション(株)S&Aプランニングを設立。ゴルフジャーナリストとして活躍し、青木功やジャンボ尾崎ら日本のトッププロを長年見続けてきた。初のマスターズ取材は1974年。

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