「ボールがどこに飛んでいくのかわからない」堀琴音を突如襲った不振の苦悩 (3ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Image

 例えば(ドローヒッターとは)ティーグラウンドの立つ位置から違うことを知りました。ショットのイメージの仕方も違えば、思っていたよりも『左に(出球を)出してもいいんだな』『ここまで左を向いていいんだな』ということも学んで。聞かなければわからない、細かな発見がたくさんありました。『フェードを打つなら、少し体力がいるから、体幹を含めてしっかりトレーニングしたほうがいいよ』というアドバイスもいただきました」

――復調に向けては、技術的な部分だけでなく、精神的な面でも変化があったと思いますが、いかがでしょうか。

「以前の私は、勢いだけでゴルフをやっていたところがありました。ざっくり言うと、バーディーもとれていただけど、ボギーも打つ、という感じで。それではもったいないと思っていたところで、原江里菜さんから森コーチを紹介していただいて、精神面を含めて、さまざまなアドバイスをしていただきました。

 最も成長したマネジメント力をはじめ、ボギーを打ったあとの気持ちの持っていき方なども。私は何でも100%、試合でも毎試合、100%(の力)で、100%(の結果)を求めてプレーしていたんですけど、森コーチから指導を受けてからは、50%でもいい、と思えるようになりました。

 現に、調子がよくても成績が出ない時もあれば、調子が悪いのにスコアが出る時もありますからね。にもかかわらず、毎回100%の結果を求めてやっていたら、メンタル的にも、体力的にもきついですから、そのあたりの気持ちのコントロールの方法も教わりました」

――今は、100%の力を出しきれなかったり、自らが求めていた100%の結果が出なかったりしても、自分を許せるようになりましたか。

「はい。50%の状態であっても『これでもやっていける』と思えるようになりました。そうすると、少しずつ自信も出てくるんですよね。

 でも、実際にそうしたことが実践できるようになったのは、今年に入ってからです。ダイキンオーキッドレディスでフェード打ちに変えた時点で、自身の100%ではありませんから。私の中では50%も出せているかなっていう感じだったのですが、それでも予選を通過することができて、そこで『これでもいける!』という自信になりました。"結果が薬"です」

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