【木村和久連載】スキー&スノボとゴルフ。双方の大いなる共通点とは? (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 これは、新たに登場したスノボが若年層を取り込み、マーケットが倍になったからです。みんながスキー場に一気に押し寄せて、ゲレンデでもリフト待ちの渋滞が起きていました。

 けど、単に上から下に滑るだけの遊びは程なく飽きられ、ゲレンデを埋め尽くしていた人々は、蜘蛛の子を散らすようにいなくなります。ウインタースポーツのバブル崩壊が起きたのです。

『レジャー白書』によれば、ウインタースポーツの人口は1998年の1800万人をピークに減少し、2016年には580万人とおよそ7割も減ってしまいました。量販店としては、その減った分をゴルフで補おうと考えたのですが、ゴルフ人口も今やピークの半分以下。580万人ぐらいまで減っているとされています。

 けど待てよ、ウインタースポーツとゴルフを足せば、まだ1000万人ぐらいのマーケットがあるじゃないか。

 現在はここです。何とか生き延びることはできるぞ、と。そんな状況にあります。

 そして実際、ウインタースポーツは回帰しつつあり、ゴルフもここ2~3年は復活傾向にあって、最悪の状態は脱したかに見えます。

 その間、業界関係者は大変な努力をして、マーケット減少に歯止めをかけました。

 ウインタースポーツが最初にやったことは、バブル組の復活です。昔、スキーやスノボをやっていたお父さん、お母さん層に向けて、今度は子どもを連れて来やすい環境を作りました。

 ゲレンデで雪遊びする層もウエルカムとし、そりはもちろん、スノーモービルで引っ張るゲレンデ版バナナボードなど、たくさんのアトラクションを追加して、おもてなしをしたのです。

 こうしたウインタースポーツで鍛えたノウハウは、当然ゴルフにも生かされました。

 同時に、プロの世界で女子では「黄金世代」「プラチナ世代」が活況となり、若者のゴルフへの参入が目立ち始めます。そして、そのタイミングに合わせるかのように、ルールの簡略化が実施されました。

 他、予約サイトの充実、ネット販売の拡充など、キメ細かなサービスによって、ビジター&ビギナーの受け入れ態勢も万全なものになっています。

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