【木村和久連載】新たなゴルフの世界が広がる「ひとり予約」の魅力 (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 基本的には、「他の組に混ざってラウンドするシステムはない」ということ。加えて、「お客さんのために、スタッフが一緒にラウンドすることもない。ましてや、ひとりだけでラウンドさせることもない」とのことで、「ひとりエントリーは無理」だと言われました。

 これが、12、13年前の出来事です。こっちは、キャバクラとゴルフは"ひとり派"なので、納得できませんでしたね。

 当時は、ちょうどメンバーをやめて、次なる遊び場を探していた頃でした。友の会ではそんな状況だったので、どうしたものかと思っていたのですが、そんな時、"ひとり予約システム"に出会いました。

 ひとりで予約できるシステムを『1人予約ランド』と言い、バリューゴルフという会社が運営しています。以前、その会社の方を取材して、お話をうかがったことがあります。

 最初は、ニッチなマーケットの寄せ集めだったとか。そして、私のような"ひとり好き"の客が「他にも絶対にいるから、試してみませんか?」と、コース側にアプローチしたと言います。

 そこで、コース側が半信半疑で組数を確保し、エントリーを待つことに。そうしたら、ぼちぼちお客さんが集まり出して、「これはイケる!」となった次第だそうです。

 ひとつのゴルフ場で、せいぜい2、3組の営業にしかなりません。けど、それが毎日となると、結構な収益になるんですね。それで、他の各コースも興味を抱いて、同システムを導入するコースが徐々に増え、今や全国的に展開されています。

 現在、登録コースは北海道から沖縄まで広がって、1000を超えています。運営会社も2016年に東証マザーズに株式を上場しました。昨年の売り上げは、約57億円。堂々たるものです。

 では、ひとり予約のシステムはどうなっているのか?

 まず使用者は、バリューゴルフ運営の『1人予約ランド』に登録をします(無料)。登録事項に自分の年齢や住所などを記して、自分の好きなアバターを選びます。あとは、登録されているコースから行きたいコースを選んでエントリーするだけです。

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