【木村和久連載】ゴルフ業界の盛況にはアマチュアのがんばりが不可欠 (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 ちなみに、プロの試合の売り上げはどうかというと、1試合の費用が10億円未満です。賞金、入場料収入、会場での物販、テレビ放映権料などを入れても、その程度です。ツアー全部で100試合もないので、アマチュアの10分の1程度の売り上げとなります。

 とにかく、デカいのはゴルフ場の売り上げです。バブルの頃は、18ホールのコースで年間10億円を売り上げたコースがあって、話題になりました。当時は景気がよくて、予約は常に満員。プレー代も高騰し、年間7~8億円を売り上げるコースがざらにありました。

 それが、バブル崩壊で売り上げが落ち込み、年間の売り上げが5億円を切るのも当たり前に。酷いと、3億円、2億円と下がって、ゴルフ場を維持していくことが大変な状況になりました。

 コースの管理・維持だけで、年間1億円はかかると言われています。その費用を削ったら、芝は荒れ放題。グリーンは重くなって、雑草まで生えてくる始末です。すると、お客さんがさらに減って、売り上げがさらに低下。売りに出されるゴルフ場が続出しました。

 そうして現在、日本にはメンバーコースが2400、それにパブリックコースを加えて、ざっと2500のゴルフ場があると言われています。それら全体の売り上げが、8780億円。それを2500のコースで割ると、およそ3億5000万円。1コースあたりの平均売り上げとなります。

 この数字、妙にリアルですね。もちろん、売り上げ2億円のコースもあり、5億円稼ぐコースもあっての平均ですけどね。

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