【木村和久連載】タイガーも危惧。「由緒正しい名門コースを守れ!」 (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 要するに、マスターズの専用コースでさえ、飛ばし屋プロの対処に苦慮している、ということです。

 というわけで、プロの飛距離アップが進むなか、ゴルフのレギュレーションや、文化遺産的に見るコースの在り方など、いろいろと考えてみたいと思います。

(1)プロとアマのレギュレーションを分ける案
 そもそも、いまだに我々アマチュアが使うドライバーと、タイガー・ウッズら一流のプロが使うドライバーが、同じ規定のもと、作られているのが不思議です。それを改めるため、そろそろプロはプロの規定を作って、飛距離問題に終止符を打つ、といった案が浮上しています。

 つまり、プロは飛ばないクラブ、飛ばないボールなどを使用して、これ以上、飛距離アップをさせない――さすれば、コースの距離を延ばす必要がなくなる、というものです。

 過去にも、水面下ではこの考えが議論されたようですが、答えは出ませんでした。というのも、プロとアマが違うクラブを使うと、クラブ販売に支障をきたしたりするからでしょう。

 でも、もともとプロのスペックはまったく違いますからね。その辺、賢明なアマチュアはわかっています。

 だから、プロがトーナメントで優勝し、そこで使用したクラブと同じものを市場に売り出していこうとする商売は、もはや曲がり角にきているかもしれません。

 とくに日本じゃあ、男子プロの使用クラブよりも、渋野日向子選手の使用クラブのほうが人気ですからね。だいたい男子用のギアで人気なのは、PGAツアーのトッププロが使用するクラブです。

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