【木村和久連載】日本の男子ツアーはどうやったら面白くできるのか (5ページ目)
(4)相当変わったことをすべき
たとえばですが、このショートホールだけは、ギャラリーも騒いでいいし、カメラのフラッシュもたいていいとかね。人気を得るには、そういうことも「仕方のないことだ」と諦めて、実践してみてはいかがでしょう。
思えば、昨秋のZOZOチャンピオンシップで、タイガー・ウッズのプレーを見に行きましたけど、みなさん、ほとんどフライング気味に騒いでいましたよ。
タイガーに対する声援って、他の選手とは10倍ぐらいの違いがあります。その絶叫のなかで優勝するんですから、並大抵の精神力じゃありません。
こんな賑やかな状況でもプレーできるようになれば、相当すごいですが... 渋野日向子選手じゃないけど、男子プロももっとギャラリーを味方につけないと。ストロボが眩しいとか言っているうちは、一流のプロじゃないです。
武道館のステージだって、照明で何も見えないなか、1万人を相手に歌うわけでしょ。スターなんだから、その特殊な環境に酔いしれないと。
選ばれし人しか見ることのできない"てっぺん"という世界。プロが競い合う舞台は、そういうところです。その頂きにようやくたどり着いたのに、「ギャラリーがうるさい」と言ったら、小物以外の何物でもないでしょ。
そういえば、初めてマスターズに出場した某日本人選手が、「ギャラリーに(ボールが)当たったらどうしよう。ドキドキして、第1打は頭の中が真っ白でした」とコメントしていました。
どんな状況にあっても、実力を発揮できる――それが、"てっぺん"を極める人なんだと思うんですよね。
木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。
『教えて! 100切り先生』好評発売中!
詳細はこちら>>
5 / 5