渋野日向子がビックリ。自身のショットに「ボールがないーって」 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●取材・文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

「17番で2日間、ティーショットが250ヤード表示の10ヤードか、15ヤード先までしか飛んでなかったんで、『今日こそ』とがんばって振ったら、あそこまで行っちゃって(笑)。振りましたね。風はフォロー気味でした。でも、まさかフェアウェーを突き抜けて(その先の)ラフまで飛ぶとは予想外でした。(セカンド地点に行ったら)ボールがないーって(笑)」

 ラウンド後にそう語った渋野。ここで、彼女は驚きの飛距離を見せつけたのだ。すべての選手を見たわけではないが、ティーショットで"ここまで飛ばす選手はいないだろう"と踏んでレイアウトされた、300ヤード強で途切れるフェアウェー先のラフまで飛ばした選手は、それまでにいなかったはずだ。

 16番で奪ったバーディーの重みと渋野の気持ち。それが、現れていたショットだった。

 渋野は残り175ヤードの第2打を5番アイアンで2オンさせ、イーグルこそならなかったが、きっちりバーディーを奪取。続く18番(パー4)をパーで収め、通算13アンダーでホールアウトした。

 最終的には、通算15アンダーで単独トップに立った森田と2打差の7位タイ。賞金ランキング2位の申ジエ(通算14アンダー、2位タイ)とは1打差、同1位の鈴木とは同スコアである。また、通算14アンダーの"同級生"勝からも、好気配が感じられる。予断を許さないハイレベルな激戦である。

「明日(最終日)は雨? でも、午後ですよね。気温がそんなに低くならないっぽいですね。今年の経験上、雨は嫌いじゃないかもしれないんで。ボチボチがんばります。ここで勝ったらカッコいいんで、パッティングはどうなるかわからないですけど、明日も今日のようなショットなら、しっかりチャンスにつくと思うので、(優勝の)チャンスはあるんじゃないのかな」

 クールに装う渋野だが、最終日の同組には、賞金女王争いのみならず、東京五輪の出場権をかけた世界ランキングでも熾烈な争いを繰り広げる鈴木がいる。そこで繰り広げられるであろう"バトル"は見もの。注目の最終日である。

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