松山英樹がタイガー追撃で魅了。日本初開催の米ツアーは盛況を極めた (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

「(前日に)ヒデキは11番と12番でバーディーを決めた。自分は今日、(12番で)いきなりのミスを犯したので接戦になった。18番(パー5)に向かう時に、ヒデキがティーショットを打つのを確認した。フェアウェーウッドで打ったショットに不満そうだったので、右に曲げたと思った」

 松山が18番のティーグラウンドに立った時点で、ウッズとは2打差。松山は「タイガーがスコアを落とすことはないと思っていた」と言う。ゆえに、追いつくにはイーグルが必須だったが、1打目は右のバンカーに。

 それでも、松山は3Wを手にして果敢に2オン、つまりイーグルを狙いにいった。

「イーグルを取れば、ワンチャンスあるかなと思ったけど、普通なら(バンカーで)3Wを持たないですよね......」

 結局、果敢なショットはわずかにグリーンから外れ、再びバンカーに。それを寄せ切れず、パーフィニッシュとなった。

「(3打目のバンカーショットはチップインを狙って)ギリギリを狙っていたんで仕方ない。(そういうショットを)打てる技術がまだない。寄ることもなく、入ることもない。またひとつ、課題が見つかりました」

 ウッズは、松山の18番のプレーをしっかり把握できず、ちょっとした勘違いもあった。ウッズは言う。

「自分が18番のセカンド地点にたどり着いた時、彼が2打目をバンカーからグリーンに乗せたことを知った(実際には乗っていなかった)。リーダーボードも遠くて確認できなかったので、最後をパーであがれば、1打差で優勝できると思ったが、結果的に(ウッズ自身が18番でバーディーを奪い)3打差となり、驚いている」

 常にウッズにリードされた展開とはいえ、松山は4日間食い下がった。

「悔しいけど、これでタイガーがまた来年来るんじゃないですか」

 松山は、前週に韓国で開催されたザ・CJカップでも3位タイと優勝争いに絡み、調子は上向きと見ていい。

「これを続けて、またいい状態をキープできれば......」

 2017年8月のWGCブリヂストン招待以来となる米ツアー6勝目も近いだろう。

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