2019.10.27

渋野日向子は「吸い取られ」気分。
「もう一つの戦い」へチャージの予感

  • 杉山茂樹●取材・文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

「バーディーを何個取れるかですね。(スコアの)伸ばし合いになると思います。私も(その争いに)遅れずについていきたいです」

 2日目を終えた前日、3日目の展望と自身の目標について、渋野日向子はそう語った。 

 しかし、渋野にはこの日、日没サスペンデッドで消化できなかった第2ラウンドの、ラスト3ホールが残っていた。

 スタートしたのは、午前7時。渋野は、早朝にもかかわらず詰めかけたギャラリーの熱意に応えるかのように、18番でバーディーを奪い、通算5アンダー、6位タイで第3ラウンドを迎えることになった。

第3ラウンドでは、同組のテレサ・ルーに煽られた渋野日向子 賞金総額2億円。優勝賞金3600万円をかけて争われる秋のビッグトーナメント、NOBUTA GROUP マスターズGCレディース(マスターズGC/兵庫県)。

 第3ラウンドは、渋野の読みどおりには進まなかった。”伸ばし合う”というより、ひとりだけがぐんぐん伸ばしていく展開となった。

 主役は、渋野と同じ組で回ったテレサ・ルー。次週、米女子ツアーのスウィンギングスカートLPGA台湾選手権(10月31日~11月3日)に出場する渋野は、テレサ・ルーとその話もしたという。

「台湾の話は、前半にしました。タピオカ、いろいろ(な種類が)ありすぎてわからないけれど、美味しいよーって」

 そんな他愛のない話をしつつ、台湾の実力者は、今が”旬”の若き逸材を前にして本領を発揮。渋野は、それに煽られながらのラウンドとなった。

 渋野とは1打差の通算6アンダー、3位タイでスタートしたテレサ・ルーは、前半だけで4つスコアを伸ばすと、後半もその勢いは止まらない。11番(パー4)では、第2打をピンの根元にドスンと落とすナイスショットで、渋野を圧倒する。バーディーを奪って、11アンダーとした。

 対する渋野は、10番まで終えて2バーディー、2ボギー。スタート時と同じ5アンダーのままだった。

 それでも、続く12番のパー5。渋野も負けじと見せ場を作り、食い下がった。

 第3打、テレサ・ルーが先に、バックスピンの効いたピンに絡む華麗なショットを披露すれば、渋野も応戦。バックスピンの効いたショットでピンハイ1mにつけ、バーディーを奪う。