【木村和久連載】ゴルフは接待経費。今でも「出世」の道具と言えるか (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

(2)コンペで人脈作り
 人脈作りをしすぎて、失脚したタレントがいましたが、そういうことはほどほどに、ですね。それはそれとして、現在社会においても、いくらIT関連が活況になっているとはいえ、生の人間が触れ合うゴルフコンペは、人脈作りの最適なツールになっています。

 主催者側には、「社長と一緒に回らせて」というリクエストがたくさん届きます。そういう情報を整理して、誰と誰を組ませれば、今後のビジネスが円滑に運ぶか――それを見極めて、最適な組み合わせを決めるのが、幹事の腕の見せ所です。

 芸能人やスポーツ選手と、新興のIT社長との出会いなんて、業界のコンペじゃあ、頻繁に見られる光景です。実際、何人もコンペで知り合った人を見ています。

 そうした場合、もちろん新ビジネスに発展したケースもありますが、ただの遊び友だちになって、IT社長が飲み代を払って、「オレはタレントの○○とマブダチや~」と、自慢して終わっている場合もたくさんあります。これぞ、"闇友だち"なのかなぁ~?

 世の中、有名になると、有象無象の人々が近寄ってきます。そういう著名人の名前を利用しようと近づいてくるんですね。そのネームバリューを使って、「なんか儲け話が作れないか」と思っているわけです。

 業界のゴルフコンペは、人脈製造機みたいなもので、いろんな人が集い、核分裂して、物凄いパワーを放つこともあります。そう考えると、人脈作りの"ブラックホール"なのかもしれません。

(3)接待ゴルフは「直球勝負」

 今は少なくなりましたが、取引先に出した企画が通るか、通らないか。あるいは取引先への営業や提案がまとまるか、まとまらないか。そうしたことが微妙な時、接待を仕掛けることがあります。つまり、「どうしようかな」と迷っている相手側に対して、「誠意を見せよう」と。それが、接待となります。

 ゴルフは基本、「接待交際費」という名目で、経費で落とせる場合がほとんどです。だから、ゴルフのみなら、出費の痛手は少ないのです。

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