藤田光里を立ち直らせた父とのSNS「ゴルフをやめるか迷っていた」 (4ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

――手術の影響もあってかと思いますが、2017年に失ったシードを、2018年で取り戻すことはできませんでした。しかも、2019年の出場権を獲得するためには、セカンドQTから参加、という厳しい状況となりました。

「セカンドQTの時は、左ヒジが原因で自信を持ってクラブを振り上げられなくて、初日の1番ホールのドライバーは、野球でバントをするような感じで打ちました。それで、210ヤードぐらい飛んで、セカンドショットは6番アイアンで160ヤード打って、3打目が残り30ヤードのアプローチ......。その後も、ずっとそんなゴルフをやっていて、ほんと、3日間でナイスショットが1回もないんです。それでも、セカンドQTを通過。その時はめちゃくちゃうれしかったですね」

――手術を終えても痛みがあったのでしょうか。それとも、不安があって、思い切り振れなかったのでしょうか。

「不安です。手術前の2年くらいは、痛みを我慢して振っていましたし、自信を持って打てる球を2年以上、打っていなかったですからね。あと、『QTを落ちたらどうしよう』という不安もありました」

――続いて、サードQTに挑むわけですが......。

「初日は3アンダー(トップと2打差の10位タイ)でよかったんですけど、だんだんと悪くなっていって、(1打及ばずで)落ちました。QTの会場の最終日って、みんな、泣いたり喜んだり、いろいろな感情が出る場なんですけど、その時の私は『早めにオフが始まりました』といった捉え方ができて。なんか、気持ちがすごく楽になったんです。

 だから、私の最近のゴルフの分岐点は、昨年のQTで、サードで落ちたことなんですよ。『あ、今の自分のポジションは"ここ"なんだな』って確認できたから、自分に対して高望みしなくてよくなった。負け惜しみじゃなくて、なんか、ホッとしたんです」

――さて、今季はこのあと、レギュラーツアーが主戦場になりますが、シーズン前とは目標も変わってくるのではないでしょうか。

「(レギュラーツアーの第1回)リランキングをクリアして、レギュラーツアーの試合に出られるのはいいのですが、正直、賞金ランキングで来季のシード権(50位以内)を獲得するまでには、まだまだ足りないわけじゃないですか。ステップ・アップ・ツアーで1位になれば、来季の(リランキングまでの)レギュラーツアーに参戦できるので、今シーズンは当初、そこを目指していたこともあって、自分の中ではすごく中途半端な位置にいる感じがします。

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