体で模したキレイな「く」の字。石川遼の「第2章」はこれからだ (3ページ目)

  • 古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki
  • photo by Kyodo News

 今後の方向性、どのような体を作るトレーニングをしていくのかという点に関しては、石川は次のように語った。

「今も"走る"ということはやっていなくて、体の後ろ側の筋肉を鍛え直している段階なんですが、(トレーニングを始めて1カ月経った)今でもハムストリングはいまだ弱くなっているなって思いましたね、自分でも。

 たぶんこれから、体が変わってくれば、スイングも変わってくる。自分の理想のスイングというものが、体ありきなんだな、と思いました」

 ツアー選手権からさらに1カ月後、背中側の筋肉を鍛え直して臨んだ日本プロ選手権で石川は優勝を決めたが、この試合でもショットは千々に乱れて、体も、スイングもいまだ理想の域に達していないのは明らかだった。しかし、石川らしく「この幸運を絶対に生かす」といった気持ちの負荷を背中側の筋肉にもかけることで、ここ一番でピンをさす一打が打てるほど、腰も、体も仕上がりつつあることを証明した。

 そして、試合後のインタビューで石川はこう語ったという。

「10代の頃からは体も変わった。年月が経ったにもかかわらず、自分の体に対して傲慢さがあったというか、甘くみていたところがあった。今年、(中日クラウンズで)初めて試合を棄権したことが、自分自身ショックだった。それから2カ月くらいしか経っていないけど、いいトレーニングを積めて、日本プロで勝てることができた」

 ここから、石川遼の"第2章"が始まるのかもしれない。

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