【木村和久連載】日本式ゴルフの温故知新。2グリーンが意外に好評だ (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 バブルの頃は、外国人設計家全盛で、新設のゴルフ場はほぼ1ベントグリーンを採用しました。そうなると、従来の2グリーンは「ニセモノだ」「恥ずかしい」などといった評価がなされ、しまいには「ゴルフ場ではない」みたいな扱いを受ける始末。その結果、1グリーンへの改造が加速しました。

 けど、すぐさまバブルが崩壊。2グリーンは"昭和の遺産"として、かなり残ってしまったのです。

 ただそれが、今となっては好都合でした。2グリーンは結構使いでがあって、逆に好評を得ているのです。以下、2グリーンのメリットを挙げてみます。

●管理が楽になる
 2グリーンあれば、片方のグリーンを休ませることができますから、メンテナンスが楽なんです。違うタイプの芝にも植え替えしやすい、というよさもあります。

●倍楽しめる
 2つのグリーンがありますから、グリーンが替われば、同じコースでも2つ、つまり倍楽しめるわけです。

 先日、福島の『スパリゾートハワイアンズ』のゴルフコースに行って、泊まりで2ラウンドしました。ここのコースは、27ホールの2グリーンです。ラウンド1日目は東と中コース、2日目は中と西コースと、中コースだけ2日連続のラウンドでした。

 けど、中コースの2日目は、使用グリーンが違っていました。「あれ、ここ昨日はワンオンしてパーだったのに、今日は(グリーンが)遠くなってて、OBじゃん、なんで?」ってことが起きて、悔しいやら、楽しいやら......って、どっちだねん。 

 昔のホームコース、鶴舞カントリー倶楽部(千葉県)も36ホールあって、全部2グリーンでした。実質、72ホールあるようなものです。さすがに、すべてのグリーンの特徴を覚え切ることはできませんでしたね。

 でもその分、飽きないし、楽しめました。


2倍楽しめる双子の卵......いや、日本独自の2グリーンも悪くないですよね2倍楽しめる双子の卵......いや、日本独自の2グリーンも悪くないですよね
●グリーンが小さいから難易度が高い
 2グリーンは、限られた土地の中に2つのグリーンを作るので、自ずとグリーンの大きさは限られてきます。要は、小さくて難しいのです。だから、2グリーンのコースで鍛えられると、アプローチの腕前が俄然アップします。

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