中嶋常幸も体幹のよさを絶賛。山口すず夏が予選1位で全米女子に挑む (2ページ目)

  • 古屋雅章●取材・文 text&photo by Furuya Masaaki

「飛距離に関しては、高校3年間続けた週3回の朝6時からの自主トレで、メディシンボールなどを使った体幹トレーニングや、昨年5月から取り入れた『初動負荷トレーニング』などの成果かなと思います。

 平均パット数に関しては、グリーンを外す確率とも関係するので簡単には喜べませんが、パッティングの調子は決して悪くありません。今後、パーオン率を上げ、もっとバーディーチャンスにつけていければ、スコアも(それに伴って)ついてくるのかなと思っています。

 そのためには、ドライバーとアイアンのショットの精度をよくすることが、今後の課題になるのかなと思います」

 山口は直近の目標として「全米女子オープンでの予選通過と、上位で優勝争いに加わること」を挙げ、その後は「賞金ランキング50位以内に入り、来シーズンのシード権の獲得(賞金シード80位以内)」と公言する。

 そして、その次の目標は「来年の東京オリンピック出場」だ。

「高校を卒業して、いきなりアメリカのツアーでやろうと思ったのは、東京オリンピックが(来年)開催されるからです。今の私のロレックスランキング(女子世界ランキング)では、それ(ポイントの高いアメリカでやる)しかないので。

 まだまだランキングは下のほうですけれど、(ずっと)そこを目標にやってきています。状況は厳しいんですけど、そういうなかで結果を出すのが、本当に実力がある選手だと思うので、その目標に向けて、一試合、一試合"死に物狂い"でがんばっていきたいと思っています」

 その山口の可能性について、彼女がジュニア時代に在籍していた『ヒルズゴルフ トミーアカデミー』の主宰者である中嶋常幸プロはこう評している。

「すず夏は、体が強い子で、特に体幹がしっかりしている。女子の場合、体を右から左へと揺らせて振っていくスイングが多いが、彼女は体幹がしっかりしているので、その場で軸を中心にしてタテ振りでパーン! と打てるので、飛距離が出る。アカデミーの女子では、一番の"アスリート娘"だね。

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