【木村和久連載】真夏の東京五輪。ゴルフ観戦の問題点は解決済みか? (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 ちょっと想像力のある方なら、真夏のコースの厳しさを容易に推察できます。これまで、何度も猛暑日にラウンドしましたが、あれはプレーせずに、ただ立っているだけでもしんどいです。帽子を被っていても、頭が蒸れてかえってクラクラします。

 運営側は、五輪本番では経口補水液をギャラリーの人数分用意すると言っていますが、そんなもの1時間ぐらいしか持たないでしょう。半日いるなら、もっと水分を摂らないと。

 あと、問題はトイレと救護所ですかね。

 トーナメントの場合、ギャラリーはクーラーの効いたクラブハウスには入れません。だから、なんぼ暑くても、屋外にずっといることになります。これが問題です。

 トイレも当然、クラブハウス内の涼しくて、ウォシュレット付きトイレを使用できるわけではありません。

 ウォシュレット付きトイレが日本でいち早く普及したのは、ゴルフ場です。わがままで金持ちの、いかにも痔になっていそうなオヤジがたくさんいたから、その需要がものすごくあったんでしょうね。

 オリンピックのゴルフ競技では、そんなゴルフに精通しているオヤジたちが観客の大半を占めることでしょう。てことは、日頃ウォシュレット慣れしている人が、急な便意をもよおして仮設トイレに駆け込むわけです。エアコンもないし、匂いもきついし......となったら、やってられません。

 しゃがんでいる間に、滝のような汗が滴り落ちる――もはや、ゴルフ観戦どころの騒ぎではありません。「これが、オリンピックなの?」「1万円も出して、この仕打ちはないよ」って、みなさん憤慨することでしょう。

 観客のみなさんがそんな苦痛を味わうことがないよう、仮設トイレであっても、ぜひとも洋式のウォシュレット付きで、できればクーラーも完備していだきたいですね。電源とかはないですけど、そこは発電機を大量に持ち込んでほしいところです。

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