【木村和久連載】チェ・ホソンの活躍で激震。レッスン業界はどうなる? (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 昔、プロ選手とラウンドしたときも、その選手から私は「すごく変わっている(スイング)。理論的にはあり得ない。90度、左を向いていますよ」とボロクソに言われました。けど、『天才バカボン』のパパじゃないけど、今ではそのスイングが「これでいいのだ」とまかり通ってしまう。これが、2019年のゴルフなのです。

 むしろ、「こっちのほうが飛ぶから、あなたもやってみれば」と"釈迦に説法"まで、できてしまいそうです。

(4)プロの教えを学ぶ方式の終焉

 今までのゴルフ雑誌では、トッププロやレッスンプロが模範となるプロのスイングを伝授。それが、最大の"教え"でありましたが、今後スイングに関しては、なかなか教えづらい雰囲気になりそうです。

 どんなスイングでも許されつつある今、「完璧なプロのスイングを教えるから、1年間、毎週レッスンを受けてください」なんて言ったら、「それは、レッスン料を稼ぐためじゃないの?」と言われそうです。そうして、「スイングなんて、かっこ悪いままでいい」と、お客さんに開き直られたら、商売あがったりです。

 じゃあ、レッスンプロは何を教えるべきか?

 答えは、次です。

(5)スコアの出し方を教える
 そもそもレッスンにおいては、スコアアップのために"正しいスイングを教える"というのが、従来の考え方でした。でも、今ではそんな大それたことはどうでもよくなっています。

 へんてこなスイングでも、「とにかくスコアアップしたい」――それが、アマチュアゴルファーの要望です。レッスンプロは、それに応えていかなければいけないわけです。

 これは、困りましたね。レッスンプロは、お客さんの多様性に応えていかなければいけないのですから。

 お客さんのレベルにまで自分を下げて、同じ目線で教える――そんな優秀なレッスンプロって、なかなかいないですよ。

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