ゴルフをやめた才能豊かな姉の代わりに。プロ2年目、松田鈴英の覚悟 (2ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 それでも、ファイナルQT()を18位で突破して、今季前半戦の出場権を獲得。シーズン開幕後もコンスタントに結果を残し、今年から導入された2度のリランキングでも上位に名を連ね、フルシーズンの試合出場を確定させた。
※クォリファイングトーナメント。ファースト、セカンド、サード、ファイナルという順に行なわれる、ツアーの出場資格を得るためのトーナメント。現在はファイナルQTで40位前後の成績を収めれば、翌年ツアーの『リランキング』までの大半の試合には出場できる。

 好結果を残すきっかけとなったのは、6月のニチレイレディス。同大会で単独4位となって初のトップ10入りを果たすと、そこから頻繁に上位争いに加わるようになって、一気に成績が上向いていった。

 ニチレイレディスからここまでに出場した19試合中、予選落ちは日本女子オープンの1試合のみ。トップ5入りが5度あって、予選落ちが続いた昨年とは見違えるような成績を残している。

「結果が出ることで、自信がつきました」

 そう語る松田の表情からは、充実感が漂っていた。そして、プロテストに合格して以降のことについて、こう振り返った。

「(プロになったばかりの頃は)『プロゴルファーとして、成功しなくちゃいけない』という思いが強すぎて、ずっと空回りしていました。今年に入ってようやく結果を出せるようになりましたが、『プロとして』とか、あまり思い込みすぎないようにしたのがよかったのかもしれません。家族から『そこまで結果は求めていないよ』と言われたこともあって、ゴルフのことをもっと楽に考えるようにしたんです」

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る