親子でツアー制覇は10組。偉大な父を持つ息子はどれだけ大変か (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 親子ではないものの、故アーノルド・パーマーを祖父に持つサム・サンダーズ(アメリカ)が現在、PGAツアーに参戦している。母がパーマーの娘で、サンダーズ家に嫁いだため、苗字が違う。おかげで、アマチュア時代は「パーマーの孫ということを知られずに済んだ」と、多くの"二世プレーヤー"が晒される、周囲の喧騒からは逃れることができたという。

 それでも、「ゴルフコースだと、どうしてもパーマーの孫だとわかられてしまった」とサンダーズ。今では自らの境遇を受け入れて、こう語る。

「祖父は偉大すぎる存在。ゴルファーとしては決して追いつくことはできないが、人として素晴らしいところは、少しでも追いつけるようにしたい」

 下部ツアーを経て挑んだ昨季は、フェデックスカップ・ポイント120位となり、新シーズンのシードを獲得。今季は、悲願のツアー初優勝を目指す。

 新シーズンの開幕戦で、ついに勝利をつかんだケビン・ツエーも、「"ツエー"という名前によって、どこに行っても、常にたくさんの人に見られてきた」と、これまでの苦労を改めて振り返った。

 とはいえ、ツエー親子はケビンがプロ転向を果たして以降、デビュー戦では父がキャディーを務めるなど、親子が一心同体となって息子のゴルフに力を注いできた。今回の勝利にももっとも喜びを露わにしたのは、他でもない父のボブだった。

 また、PGAツアーの勝者であるボブは、いつでもマスターズ観戦に訪れることができるが、自らがレギュラーツアーを離れてからは「今度オーガスタに行くのは、息子が出場するとき」と決めていたという。

 父ボブの願いを叶えて、マスターズの出場権を手にしたケビン。来年4月のオーガスタでは、ツエー親子の微笑ましい姿が見られるのではないだろうか。

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