懐疑的だった無名コーチの登用。それでもタイガー・ウッズは復活した (2ページ目)
さまざまな理由があると思うが、最大の要因は、コーチ選びに成功したことではないだろうか。
その詳細を記す前に、"低迷したゴルファーがコーチに指導を依頼すること"について、少し触れておきたい。これには、ふた通りのパターンがある。
ひとつは、"何かを変えたい"ときだ。
自分でがむしゃらにがんばってみたが、それでもうまくいかず、「何かを変えなければいけない」と感じて、指導者に助けを求めるパターンである。
ただしこの場合、自分はなぜ成績が低迷しているのか、その状態を打破するためには何をすべきなのか――そうした現状分析ができていないので、コーチの人選を適切に行なえていないことが多い。「実績があるコーチだから」とか、「知り合いで人柄がいいから」とか、技術的な部分でのマッチングを考えずに、依頼してしまいがちだからでもある。
もうひとつのパターンは、"課題をクリアするために必要なものを取り入れるため"だ。
この場合は、自らの現状分析を行なって、自分の進むべき道を理解し、そのためにコーチに習いたいことは何なのか――それが、明確であることが多い。そういう選手であれば、適切な指導者を選択できる。
選手の成績の浮き沈みに関しては、一般的にコーチの指導力が問われることが多いが、実はそれ以上に、選手側の人材登用のスキルが、そのカギを握っているのだ。
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