【木村和久連載】大雨、暴風...。「悪い条件」でのゴルフに人生を学ぶ (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 条件と言えば、石川遼選手の初優勝は、最終組じゃなくて、わり早い組でのスタートでした。おかげで、さほどプレッシャーを受けずに回れたのがよかったのではないか、と言われています。

 もちろん、どの組で回っても、優勝は優勝です。のちに賞金王になりますから、超トッププレーヤーであることは間違いありません。

 一方、実力があると言われながら、なかなか優勝できなかった宮里優作選手。それでも、"遅い"初優勝を飾ると、その後は立て続けに勝利を挙げています。

 だから、いかに初優勝を早い時期にもぎとるかが、プロにとっては大事だと思います。

 そういう意味では、我々アマチュアも同様に、いかに好条件でベストスコアを出すか――そういうことを考えることも必要だと思いますよ。

 昔、70台のスコアが出ていた頃、ラウンドするコースに着いて「今日はひょっとしたら、70台が出るかも」という予感がしたことがあります。それは、距離が短くて、簡単で、しかも天候に恵まれていたからです。

 恥ずかしながら、鶴舞カントリー倶楽部(千葉県)のメンバーだったときは、レギュラーティーでもベストが80台で、70台は1回も出ていません。それは東コースでの成績で、もっと難しい西コースではベスト「84」です。

 ゆえに、鶴舞CCに行くときは「今日も70台は出ない」という暗澹たる気分でラウンドしていました。月例などの競技となると、バックティーやブルーティーからですから、なおさらです。最初から諦めモードで、ハンデをうまく活用して、なるべく上位を目指す作戦でした。

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