【木村和久連載】大雨、暴風...。「悪い条件」でのゴルフに人生を学ぶ (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 さて、ゴルフの話に戻ります。コースセッティングが厳しかった、という話も聞いたことがあります。

 以前、山梨の某有名コースで行なわれたトーナメントでは、グリーンにボールが乗っても、コロコロと転がって、オーバーが多発して話題となりました。これは、グリーンを短く刈り、さらにローラーをかけて硬くしたので、ボールが止まりづらくなったのです。

 そこで予選落ちした選手が「くそコース」と暴言を吐いていましたが、それはどうかと思いますよね。

 だって、条件はみんな一緒でしょ。誰もがグリーンに乗っても止まらないことを知っていて試合をしているのですから。じゃあ、ボールが止まれば、あなたは優勝したのですか?って話になりますもんね。

 とはいえ、普段とは違う環境でプレーするのは、なかなか難しいと言えます。それこそ"アウェーの洗礼"じゃないですか。

 そもそも、ゴルフのトーナメントで"ホーム"ってあるのでしょうか?

 強いて言えば、母国と外国の違いはあるかもしれません。過去に、こんな話がありました。関東の古いリゾートコースで行なわれた試合で、とても奇妙なことが起こったのです。

 そのコースは高麗グリーンを使っており、思いどおりにカップに入らないグリーンに手を焼いた外国人選手がいました。外国人選手はベントグリーンなどの洋芝に慣れていますから、感覚が違ったのでしょうね。すると、その外国人選手、イライラが最高潮に達してしまい、あろうことか、海に向かってわざとボールを打ち込んだのです。

 もちろん、同選手は思い処罰を受けましたがね。それにしても、そのコースは外国人が設計しており、それを外国人選手が否定するって、ちょっとあり得ないです。

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